女王と王妃
さて、女王と王妃。
この違いがわかりますか?
まあ、当然わかりますよね。
女王は女性の王。
王妃は男性の王の妃、つまり妻。
当然その意味するところは変わってきます。
何を今さらそんなことを思っている方も多いでしょう。
ですが、これがそうでもないのです。
特に考古学に関わるものになると。
このような記事をインターネットや新聞で見かけたことはありませんか?
エジプトで女王の墓を発見
では、改めて問います。
この場合、発見されたのは誰の墓?
これだけ見れば、当然女王の墓となりますが、実際は王妃の墓というのがほぼすべてになります。
なぜ、そうなるのか?
それは翻訳のマジック、というよりも翻訳者の知識不足になります。
たとえば、英語。
女王は、Queen。
では、王妃を英語で何というかといえば、同じくQueen。
つまり、流れて来た英語のニュースには単にQueenとしか書かれていないのです。
ですから、ここは翻訳者の知識が問われるわけですが、悲しいかな、それだけのものはない。
当然、Queenイコール女王という常識のまま訳してしまう。
その結果、王が抱えていた数多くいる妃のひとり墓が見つかっても、「女王の墓」が発見されるという「世紀の大発見」になってしまうのです。
まあ、仕方がないことですが。
ついでにつけ加えておけば、この翻訳者の知識不足からやって来るネタをもうひとつ。
寺院。
これは、「Temple」の訳に関わるものです。
間違ってはいない。
ですが、良くないです。
たとえば、有名なカルナック寺院、ルクソール寺院と言いますか?ということです。
古代エジプトの遺跡を語るときに、寺院はない。
これは常識です。
ということで、次回このような記事を見かけたときは、そういうつもりで読むようにしましょう。
では。




