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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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ネフェルネフェルウアテンとスメンクカラー①

タイトルは「ネフェルネフェルウアテンとスメンクカラー」ですが、一般的には、スメンクカラーとネフェルネフェルウアテンになるのでしょうか。


これは古代エジプトの謎多き時代であるアマルナ時代の中でも特に謎と議論が多いテーマです。


まず、このふたりの王が、どのような立場であるかといえば、第18王朝の異端の王であるアクエンアテンと少年王ツタンカーメンの間にエジプトを短期間統治したと思われているものの、アビドス王名表の中ではアクエンアテンやツタンカーメンなどと一緒に名前を消されたいわゆる消されたファラオのひとりであり、アクエンアテンやツタンカーメン以上の謎の王とされています。

では、どこまでわかっているかということですが、これが残念ながらごくわずかです。


では、一般的に有名なスメンクカラーから始めたいと思います。

スメンクカラーに関係する遺物で一番有名であろうものは、やはりアマルナ岩窟墳墓2号墓に残された黒インクで描かれた王として描かれた図像と、しっかりと壁に刻まれたスメンクカラー/アンクケペルウラーのという名前でしょう。

ここには、「彼」の第一王妃としてアクエンアテンの長女メリトアテンも描かれており、ここだけを見れば、治世17年頃に亡くなったアクエンアテンの正当な後継者であると言えます。

ただし、スメンクカラーの痕跡は、これ以外は名前入りの指輪など本当にごくわずかです。

ツタンカーメン王墓から彼とアクエンアテンの名前が記された壺が発見されたことになっていますでですが、これは専門家が強引に読み込んだものであり、誰もが簡単にわかるという類のものではありません。

では、それだけ少ない証拠にも関わらず、アクエンアテンとツタンカーメンの間にエジプトを期間統治王といえば、スメンクカラーとなるのか?

それがもうひとりの王の存在です。

彼の名前は、ネフェルネフェルウアテン/アンクケペルウラーです。

ちなみに、最初の名であるネフェルネフェルウアテンは誕生名といわれる簡単に言えば誕生した時に与えられる名前であり、もうひとつの名前であるアンクケペルウラーは王に即位した時に与えられる名です。

この時代の王は、それ以外に3つの名前を持っているのが普通なのですが、このふたりの王は統治期間が短かったためなのか、それともそれ以外の意味があるのかはわかりませんが、現在判明しているのは誕生名と即位名だけです。

そして、これをスメンクカラーと比較するとなんと即位名が同じです。

もちろん、歴史上即位名が同じ王は誕生名ほど多くはありませんが存在はしており、これだけでは大騒ぎをすることではありません。

しかし、このふたりの王の共通点はこれだけではありません。

ネフェルネフェルウアテンの妃の名前はメリトアテン。

スメンクカラーの妃と同じだったのです。

このことから、ネフェルネフェルウアテンとスメンクカラーは同一人物とする意見が多いのです。


せっかくですから、ここでスメンクカラーについての話についてもう一言述べておけば、ほとんどが噂や思い込み、よく言って推測によるものであり、その話を確定させられるだけの証拠というものを持ち合わせたものではありません。

たとえば、スメンクカラーはアクエンアテンの男色の相手だったという話。

これはアクエンアテンともうひとりの王が愛し合っているかのような未完成のステラが根拠のようですが、たしかにこの謎多き時代について何も知らなければなるほどと納得してしまいます。


しかし、たとえばその王が女性であることはないのでしょうか。

まず、そのようなことがあるのかということなのですが、女性が王に、いわゆる女王が存在したことがあるのかといえば、ハトシェプスト女王をはじめとして例はあります。


そして、実はまず本当にアクエンアテンと一緒に描かれたスメンクカラーとされる人物がまちがいなく男性なのかという疑問が浮上するのが、この時代のミステリアスなところなのですが、この続きは次回とします。

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