大ピラミッドに使われた2.5トンの石灰岩の大きさ
ここで散々やっていますが、再びというところでしょうか。
エジプトのギザにあるクフ王のピラミッド、通称大ピラミッド。
このピラミッドの説明には決まり文句のようにやってくるものがあります。
平均2.5トンの石が230万個使われ~。
もちろんその数の多さは、あのピラミッドを眺めれば実感できます。
では、その大きさは?
おそらくそれほど実感できないでしょう。
特に現場に行って、実物を見たことがない人には。
ですから、2.5トンというその文字だけ独り歩きしてしまうわけです。
そして、それを利用しているのが例の方々。
いや。
もしかしたら、あの方々もそれがどれくらいのものなのかがわかっていないのかもしれません。
そして、希望的大きさをイラストや動画で表わしているのかもしれません。
最近新しいのも出ていますし。
ですから、ここでもう一度となったわけです。
質問。
平均2.5トンの石灰岩とはどれくらいの大きさなのか?
答え。
縦横高さ、そのすべてが1mの石。
それが2.5トンの石灰岩に該当する大きさです。
根拠。
これも以前やりましたが、石灰岩の密度は2.5。
そして、その重さを出す方程式は縦×横×高さ×密度。
もちろん実際の石材ですべてが1mの立方体などということはありません。
たとえば、幅が1.5mで高さが1mであれば奥行きは70cm弱になるものがそれに該当します。
石種によってほぼ一定である密度ですが、ここでモデルとして使った最低ランクのものより質のよいものもあるわけで、そうなると2.5からさらに上がりますが、それでも3には届きません。
また、平均2.5トンというのですから、それよりも重いものはありますし、2.5トンの石灰岩より重く大きい花崗岩も使われています。
ですが、例の方々があちらこちらで誇らしげに示すような大型バスサイズのものにはなりません。
絶対に。
ついでに言っておけば、“たかが”2.5トンの石材の運搬を人力だけではできないと主張する方々は我が国の石舞台古墳で使用された石材の運搬方法をどう考えているのかお伺いしたいものです。
さらにいえば、人力で運んだ大阪城の石垣に使用された巨大花崗岩。
彼らはあれについてどのようなコメントをするのか知りたいものです。




