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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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ピラミッドの建造過程のシミュレーション Ⅱ

ピラミッドの建造過程のシミュレーション、その2回目となります。

とりあえず、「ピラミッドの建造過程のシミュレーション Ⅰ」は読んだものとして話を進めます。


当初の予定ではギザにある大ピラミッドは25年で石材を積み終わるという仮定してシミュレーションを始めるつもりでしたが、ここで頻繁に取り上げる「トリノの王名表」では23年をクフの治世年数としているようなので23年でおこないました。

なお、前回から何度も言っていますが、内部構造の複雑さなどはまったく加味されていないものですし、作業人数が23年間一定であるなど色々怪しげな部分がありますので、建造過程を想像する際の参考程度ということで楽しんでください。


1年目。

23年間一定の労働力で作業を行われたとした場合、最初の一年で労働者たちは3段目にかかるところまで石を積み上げました。


ちなみに、ここでは一年あたり約112,610立方メートル分の石を運搬することでクフのピラミッドは出来上がるとしています。

目安ではありますが、このピラミッドを語る話のなかでよく使われる1個2.5トンの石材ならば112,610個の石が運搬された計算になります。

まあ、下部に使われた石材が平均以上の大きさのものだったのはわかっていますので、1.5倍の3.75トンの石材となれば、約75,000個の石材を運搬したことになります。

一日あたりに直せば、2.5トンの石材なら約300個。

3.75トンにしても200個を超える数の石材を積み上げていたことになります。

もちろんすべて人力の時代としては途方もない数ではありますが、石材の重さについて書いた以前のエピソードでやったとおり、2.5トンの石材、その容量は縦横高さすべてが1メートルの立方体と同じで、大きさ自体は2.5トンという重量を示す数字から想像するものよりはだいぶ小さいです。

ついでにいえば、ここで例として出した3.75トンの石も1.5メートル、1メートル、1メートルという寸法がそれに該当するものとなります。

そう。

日本の城塞跡に残る石垣でも同程度の石は普通に使われています。

つまり、極言すれば、運搬し積み上げる労力などたいしたものではないということです。


すべてが1メートルの立方体、もう少し実際のものに近づければ1.25メートル、0.8メートル、1メートルというサイズの石材を10人ないし20人のグループが運ぶ。

十分に運搬できそうに思えませんか?

そして、100グループが数往復すれば1日数百個の運搬作業は可能となります。

20人グループとしても100組で合計20,000人。

ピラミッド建造の労働者の数としてもありえない数字ではないでしょう。


ちなみに、大ピラミッドの石材をあの高さまで積み上げることは古代エジプト人の力ではできるわけがない主張する超古代文明を信奉する方々が示す絵に登場する石材はその石のサイズから数百トンクラスと思われます。

たしかにあれを一日数百個運ぶのは人力では難しいそう。

彼らが言う絶対に無理という主張に私も同意します。

大いに。


さて、今回はここまでとなりますが、こうやって改めて数字を並べてみると、大変なのは石材の運搬よりも実は石材の切り出しをおこなう労働者や、調整の利かない外周部に正確な据え付けおこなわなければならない作業を監督する方ではないかと思えてきたりします。

では。

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