ピラミッドの頂上に登るには?
以前某テレビ番組でエジプト学者の河江肖剰氏が大ピラミッドに登る映像が流れていましたが、あれは能力プラス肩書、さらにコネと金がある人だけができるものであって、登頂は禁止されている一般の旅行者は同じ体験はできません。
まあ、昔は規則が緩かったので、小池百合子さんもカイロでの学生時代にあのピラミットに登ったらしいのですが。
ですが、ピラミッドの頂上に立ってみたいという願望はピラミッドを見ればたしかに沸いてきますし、そう思う方も多くいるのではないかと思います。
一応言っておけば、メキシコに行けばピラミッドに登るというこの希望はあっさりと叶います。
8日間のよくあるコースでメキシコを辿るパッケージツアーでも最低でもふたつ、少し無理をすればさらにふたつのピラミッドの頂きに立つことができますから。
そして、ピラミッドを含むマヤ遺跡はエジプトのもの以上にオカルト的な魅力があり、実はこちらも好きで語りたいことは山ほどありますが、ここはエジプトに関係するページ。
遠慮しておきましょう。
ということで、今回は私の経験から観光中でも頂上?に立つことができるエジプトのピラミッドを紹介したいと思います。
難易度1
ギザの衛星ピラミッドふたつ。
これは楽勝。
なにしろ現在は土台しかないので、その場所に行けばOKです。
クフの衛星ピラミッドは大ピラミッドの南東で、王妃のピラミッドの南にあり、このピラミッドのキャップストーン、いわゆる笠石が目印になります。
もうひとつはカフラーのピラミッドの南側にある衛星ピラミッド兼王妃のピラミッド。
こちらも土台しかありませんのですぐに目的は達成できます。
ちなみにクフのピラミッド脇に並ぶ王妃のピラミッドも登頂は禁止されているのですが、どさくさに紛れて登るのは可能ではあります。
修学旅行などでやってきた地元の子供たちが一斉に登るときがありますので、その機会に遭遇すればいけます。
もちろん警備のおじさんがすぐに飛んできますので、捕まればタップリ怒られたうえ高額のお目こぼし料を要求されるのは確実です。
いくかどうかは自己判断で。
難易度2
屈折ピラミッドの南にある衛星ピラミッド。
ギザのものと同じ衛星ピラミッドですが、こちらはそれなりの高さがありますので十分に登った感が味わえます。
ただし、交渉が必要になりますので、警備の人に交渉するようにガイドさんにお願いしてみましょう。
難易度3
アスワンの小ピラミッド。
アスワンには何度も行ったがピラミッドなどなかったぞという声が聞こえてきそうですが、実はあるのです。
しかも、第3王朝から第4王朝時代につくられたれっきとした本物が。
ただし、高さはそれほどありません。
登るのは楽勝ですが、問題はこのピラミッドがあるエレファンティーネ島に行けるかどうかというところとなります。
ここでそれについてのありがたいお知らせ。
実はエレファンティーネ島の北側はこの地区で有名なホテルのひとつが建っており、この島にわたるボートは頻繁に出ています。
さらに言えば、アスワン最高のホテルから直接ボートで行くことができます。
ですから、その気になれば難易度は一気に下がります。
あとは遺跡地区に入って気合と根性で目的の場所を見つけるだけ。
遺跡地区の奥のほうにありますので興味のある方はトライしてください。
ついでに書いておけば、アスワンにあるこの小型ピラミッドの同類は他に6つありますので、その場所に辿り着くことさえできれば、さらに6つ頂上を目指すことができます。
7つの小ピラミッドすべてに行った者の感想をいえば、場所を見つけるのが一番難しいのはルクソールの北にあるオンボスのピラミッド。
主要観光地からは遠いですが、見つけやすいのはクラ、ザウイエト・エル・メイテインのピラミッド。
行きやすさと見つけやすさを兼ね揃えているのはエドフのピラミッドでしょうか。
車を降りてからピラミッドに行くまでの困難さはメイドゥムのピラミッド近くにあるセイラのピラミッドでしょうか。
ただし、このセイラからの眺めは、他では味わえないくらいのものです。
そして、以前傾斜路のエピソードで紹介したシンキのピラミッドもここに含まれます。
アビドスに個人旅行で出かけた場合には、すぐ近くですのでお立ち寄りを。
難易度4または番外編
せっかくですから、通常の観光ではいかない場所にあるものですが、頂上に登ることができる王のピラミッドをいくつか紹介します。
アブラワシュ。
第4王朝3代目の王ジェドエフラーのピラミッド。
ほぼ破壊されていますが、来るだけの価値のある場所ではあります。
ここから見るギザのピラミッド群がすばらしいです。
個人的にお気に入りなのでいつか取り上げる予定です。
リシュトのふたつのピラミッド。
この地に残る中王国時代のふたりの王のピラミッドは高さもあり、十分な満足感が得られます。
中王国時代のピラミッドは日干し煉瓦製というイメージが強いのですが、ここを訪れ、このふたつのピラミッドを見ると、少しではありますがそのイメージが変わると思います。
アブシール。
ネフェルエフラーのピラミッド。
これがピラミッドと言っていいのかは大いなる疑問ですが、とりあえず。
細かくやればほかにも色々ありますが、とりあえずこの辺が特別な資格があるわけでもない方が観光中に行けるギリギリというところでしょうか。
では。




