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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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アスワンの未完成オベリスク

パッケージツアーを利用したエジプト旅行でアスワンを訪れた観光客はほぼ確実に見ることになる未完成オベリスク。

観光ガイドの説明をそのまま引用すれば、この切り出し作業がおこなわれたのは第18王朝ハトシェプスト女王の時代。

そして、驚くべきはその大きさ。

長さ42メートル、重さ1200トン。

カルナック神殿に建つ彼女のオベリスクが長さ30メートル弱であることを考えれば、その大きさがわかるというものです。

ただし、現在はカルナックの石材置き場に残骸として置かれている過去に存在していた彼女のもう一組のオベリスクはかなり大きかったようです。

ついでにいえば、このオベリスクの頂上部はカイロ博物館にあります。

例によって説明がないので自分で探すしかありませんが。


さて、なぜ唐突にこのオベリスクの話を持ちだしたのかといえば、もちろんそれはその大きさというか、重さ。

これだけの大きさと重さの石の塊を切り出そうとしたということは、当然運搬できる自信があったからということになります。

もちろんアスワンからルクソールまではナイル河を使っての船での運搬。

そして、それに比べれば圧倒的に短い距離ではあるものの、陸上の移動もあるわけです。

わざわざ述べる必要もありませんが、当時も現代のような重機などありません。

つまり、すべて人力。

くどいようですが、大ピラミッドを構成する石材の平均は2.5トン。

このオベリスクの重さ1200トンに比べれば微々たるものです。

わずか2.5トンの石材を運搬できないと主張する方々は、1200トンのオベリスクを運搬しようとしていた古代エジプト人をどのように説明するつもりなのでしょうか。


ということで、この話はここで終了なのですが、せっかく「アスワンの未完成オベリスク」を取り上げたのでこのサイトについてのお得情報をひとつ。


パッケージツアーでエジプトに行くとアスワン観光の目玉としてほぼもれなくここにやってくると話をしました。

ですが、特別な関心がなければ、何度も見るほどではないと言うことになると思います。

ですので、そのような方が次回ここを訪れるときに是非見てもらいたいもの。

それは石材切り出しをおこなっていた労働者たちの花崗岩の壁に描かれた落書き。

魚かイルカかわからない謎の生き物や、船など描かれています。

オベリスクに向かう途中にあるのですが、特別にリクエストしないかぎり大部分のガイドはスルーしますので、見たい方はその旨伝えましょう。


ひとつ、オマケ的に追加情報を。

実を言えば、この遺跡はパッケージツアーを利用してエジプトを訪れる観光客にとっての難所となっています。

その理由。

まず暑さ。

真夏はもちろん冬でもアスワンは暑いです。

さらに疲労。

多くの場合、アスワンにはもはや朝とは呼べない時間に叩き起こされて飛行機に乗せられやってきます。

さらに前日は一日観光したうえ夕食のため結構な時間まで起きています。

それらが重なってグループの中で数人は具合が悪くなります。

カイロからアスワンへ移動がある前日は夕食を控えてでもさっさと寝るのがよろしいでしょう。


まあ、真夏の砂漠を好んで歩く猛者にはすべて無縁な話ではありましたが。


では。

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