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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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エジプトに訪れる前に読んでもらいたい一冊

今回はいつもと趣向を変えて本の話をします。


さすがにコロナが収束していない今、出かける人はそう多くはないでしょうが、エジプトはいずれ行く場所と決めている人も多いのではないでしょうか。

そして、エジプトを訪れる日本人の多くはパッケージツアーを利用するわけですが、困るのはフリーの時間。


初めての、そして、最後となるエジプトなのだから、見るべきものを見たい。

2度目のエジプトだから、追加で別の遺跡を見たいがどこかがいいのかわからない。

そういう人におすすめする本を紹介します。


もちろん「地球の歩き方」や、「るるぶ」などの旅行ガイドにもエジプト版はありますし、旅行記風の本からエジプト学者が書いた一般向けのエジプト史を説明したものまで多種多様なエジプト関連本が出版されているのでそれらのなかから気に入ったものを参考することはできます。

そして、ありがたいことに通販サイトではそのようなものが「エジプト」と入力すればランキング形式になって現れ、人気を参考に選ぶことができるようになっています。

ですから、今回はそのような通販サイトのランキングには登場しないもの、そして観光場所として遺跡に限定し、さらに日本語で書かれたものに範囲を狭めて選びました。

日本語と限定しなければ、世界各国の発掘チームが発表した遺跡の調査報告書こそ最高のものとなってしまいますから。


では、いきましょう。


「図説 世界文化地理大百科 古代のエジプト」


それがその本となります。


まず言っておかなければならないことがあります。

残念ながら、この本は現在出版されている本ではありません。

もちろん多くの場所で中古本として売られていますが、他人の触れたものなど読む気などないという方は無理となります。


それからもうひとつ。

出版されたのは1980年代。

当然ですが、それ以降に発見された遺跡や新発見については書かれていません。

ですが、それを差し引いても十分にお釣りが来る内容となっています。


本は、古代のエジプトに関する基礎知識から始まるのですが、これが実に丁寧。

その歴史から地理まで驚くほど詳しく、ですか、イラストや写真、図表を多数使って読みやすく書かれています。


そして、そこから各遺跡の説明となっていくのですが、これがまたよいです。

アスワンから始まり、南から北へ順に遺跡を紹介していき、最後にアブシンベルなどのヌビア遺跡とシナイ半島の遺跡となるのですが、旅行ガイドでは絶対に紹介しないような遺跡までをプロが端的に解説する方法が採られているのでガイドブックでは物足りないと思った人も満足できます。


通販サイトの日本のエジプト学者の本に対するレビューに「『通史』ではなく『遺跡のガイドブック』を書いてくれ」というものがありますが、これはまさにそれとなります。

もしかしたら、その完成形ともいえるこの本があるから、エジプト学者の皆さんはそのような本に手を出さないのかもしれません。


なお、この本は外国の方が書いた本を翻訳したものなのですが、吉村作治氏や近藤二郎氏と言ったエジプトの専門家が携わったおかげでおかしな訳はほぼありません。


よくありますよね。

神殿と訳すべきところを寺院、中庭であるところが法廷などととなっているもの。

訳としては正しくても、古代エジプトの遺跡の話をしているときにそれはないだろうと思わないのでしょうか。

あの訳者は。


さて、最後は価格ですが、ハードカバーの大型本ではありますが定価は2万円となっています。

当事の定価2万円はさすがに高い。

ですが、現在はうまくすればその10分の1の金額で購入できます。

つまり、旅行ガイドとほぼ同じ。

エジプト旅行に行く方、計画している方はもちろん、古代エジプトを軽く知りたいと思う方も読んでおいて悪くないものだと思います。


では。

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