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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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観光場所で王の名前を見つける

古代エジプトの王の名。

エジプト観光中、これを見つけることは比較的容易です。

その理由。

まず、大部分の王の名は「カルトゥーシュ」と呼ばれる楕円形の飾りで囲まれていますので目立ちます。

さらにほぼ例外なく古代エジプトの王は自らの名を残すことに熱心で多くの場所にその名を刻んでいますので、注意深く探さなくても「カルトゥーシュ」が次々と目に飛び込んできます。

つまり、それが誰の名なのかはすぐにわからなくても、王の名前を見つけること自体はそう難しくはないのです。

ですから、そこから少しだけ歩みを進め特定の王の名を探すという目標を立てるとエジプト観光の楽しみが一挙に増大します。


では、早速いきましょう。

と、言いたいところですが、少しだけ条件をつけます。

まず、自らの墓と博物館、それからアビドスの王名表は除外します。

もうひとつは日本人が利用するパッケージツアーで訪れる場所限定にします。


そして、今回のターゲットは大ピラミッドの建造者クフ。


ですが、碑文や遺物の中にクフ王本人のものを見つけるのはなかなか大変なので、とりあえずクフの名前があればということにします。

比較的簡単な所ではギザ。

クフ王のピラミッド近くにある第六王朝の貴族カルの墓でそれを見ることができます。

ここではクフだけではなくカフラー、メンカウラーという三代にわたる王の名前が彼らのピラミッド名の中に含まれています。

ついでに言っておけば、ピラミッドにはひとつひとつ名前が付けられていました。

大ピラミッドなら「クフの地平線」、カフラーのピラミッドなら「カフラーは偉大なり」、そしてメンカウラーのピラミッドなら「メンカウラーは神聖なり」がその名となります。

もうひとつ。

このカルの墓というのは、クフ王の葬祭神殿のすぐそばにありますし、それほど大きなものでもありませんので、十五分もあれば写真を撮りながら見学できます。

ギザで放牧(自由時間)があった場合はここを見学することをおすすめします。


それから、クフに関してはもうひとつ。

実を言えば、こちらが今回のエピソードを書く動機になったのですが、アスワンでもクフの名前を見つけることができる場所があります。

アスワンの市街からナイル河を眺めると必ず目に入るエレファンティーネ島。

現在は名前が変わりましたが、オールドカタラクトホテルとともにアスワンにあるホテルの最高峰とされていた旧アスワンオベロイホテルがあるあの島です。

この島の北側はホテルの敷地になるわけですが、南側には遺跡がよく残っています。

クフの名が刻まれているのは、南端にある小さな祠の近く。

傍には大きくはありませんが象の像!もあります。

煉瓦でつくられた周壁近くの大きな岩がその場所となるのですが、これを見ることができるのは朝のみで、昼になると光の加減で見えないと言っていいくらいに見えにくくなるというやっかいなものでもあります。

ですが、逆にいえば、これを見たことがある人は数多いエジプトマニアでもそう多くないわけで、写真撮影に成功すれば「自慢の一枚」となるわけです。


さて、最後に種明かしをします。

このクフの名前ですが、実を言えばこれはクフアンクという臣下の名に含まれるもので、ボストン美術館にはG-4520という番号が振られたギザにある彼の墓にあった偽扉が展示されていますし、その名が刻まれた石棺はカイロ博物館で見ることができます。


ということで、今回はここまで。

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