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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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メイドゥムの傾斜路

メイドゥム。

この名を出してすぐにその地にあるピラミッドを思い浮かべられれば十分なエジプト好きと言えるでしょう。

なにしろパッケージツアーでこのピラミッドに行くものは多くのツアーが企画されていたときでも非常に少なかった。

イコール、このピラミッドを訪れたことのある日本人は少ないということになりますから。

ただし、「偽りのピラミッド」または「崩れピラミッド」とつけ加えれば、その独特の形から行ったことはなくても写真を見たことがある人はいるのではないでしょうか。

ちなみに、このピラミッド自体は知らなくても、エジプトを訪れたことさえあれば、このピラミッドに関連するある遺物はほぼ確実に見ていると思います。

「メイドゥムの雁」

これは、このピラミッドの傍らに連なるマスタバ墳のひとつから見つかった美しいレリーフで、他のエジプト絵画とはあきらかに趣を異とするものなので印象に残っている人も多いのではないかと思います。


ということで、ここまでが前段となるわけですが、このピラミッドが好きな者としては、ここで話を終わりにするのはあまりにも忍びない。

もう少しだけこのピラミッドの宣伝をすることにします。


内部に入ることができるピラミッドのなかでは、メイドゥムのピラミッドは観光のしやすさという点では一番です。

なぜなら、このピラミッドの下降通路には高さがある。

つまり、それほど窮屈な姿勢を取らずに昇降できる!

ピラミッド内部に入ったことがある人は、これがどれだけありがたいのかよくわかると思います。

特に赤ピラミッドの地獄とその後すぐにやってくる強烈な筋肉痛を体験したことがある人は。


そして、もうひとつ。

このピラミッドは今世紀になってから新たな発見があったことも付け加えておきます。

その場所。

それは下降通路を下り切ってから埋葬室へと向かう平行通路の天井の上。

この場所の天井はこの時期のピラミッドのものには珍しく平らになっているのですが、実はこの上には持ち送り式の天井を備えたもう一つの部屋が隠されていました。

この部屋の用途については様々な意見がありますが、この部屋はピラミッドの中心に位置しているのに対して、現在の埋葬室は中心より南にずれています。

このことから、ここが本来の埋葬室であった可能性もあります。


さて、ギザのピラミッドに比べてマイナーなためあまり語る機会がないこのピラミットの面白さを書いたところで、本題に入ります。


ピラミッドをつくるための傾斜路については別エピソードでもやっていますが、ピラミッド本体に痕跡と思われるものが残っているのはこのピラミッドだけだと思います。

あまり語られることはありませんが。

では、それはどこにあるのか?

ピラミッドの東面。

つまり、小さな祠のような葬祭神殿がある側。

砂山に建つ三段式の階段ピラミッドの一段目の中央上部にある人工的な薄い窪み。

それがその傾斜路跡となります。

もっとも、それが本当に傾斜路跡なのかは議論の余地はあります。

ただし、傾斜路以外にどのような目的があるのか説明をするのは難しいのですが。

それからもうひとつ。

それとは別に葬祭神殿から伸びる参道の南側に参道とほぼ平行に資材運搬用と思われる通路があったとされています。

ただし現在は土砂の下となっておりそれが本当かどうかを自分の目で確認する術はありません。


異様な形をしたメイドゥムのピラミッド。

実を言えば、このピラミッドの評価というのは、一般の方のものよりいわゆるマニアの方が圧倒的に高く、ギザのピラミッド群や屈折ピラミッドを押しのけて一番に挙げる人も多いです。

ですから、ちょっとエジプトに詳しいと自慢したいという人はこのピラミッドが一番好きだと言ってみるのもいいかもしれません。

もっとも、相手がそれなりの方だった場合は大変なことになるかもしれませんが。

まあ、そこは自己責任でお願いしますということで、今回はここまで。

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