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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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アマルナ アテン小神殿の平面図

古代エジプトにおける幻の都アマルナ。

現在見るべき建物が存在していないアマルナにおいて、唯一当時を思わせるものがアテン小神殿。

と言っても、復元された柱一本。

ルクソールに巨大神殿域を歩いた後にここに来たら、物足りなさ120パーセントといったところでしょう。

もちろん少々の知識を持って歩けばそのような場所でも十分に楽しめますし、さらにアマルナの地図、と言ってもここでいう地図とは交通情報満載のよく見かけるものとは少々違う発掘調査の結果に従ってつくられたものですが、とにかくそれを片手に歩けば、何もなさそうなアマルナ中心部が天国に変わります。

ちなみに、私がここを歩くときに使っていたものは、自らの師であると私が勝手に言っているイギリスのエジプト学者バリー・ケンプが作成した「Survey Of The Ancient City Of El-'amarna, Occ Rep No 9 / with Charts」の特大サイズ八枚セット。

これはアマルナ中心部を網羅しており、崩れかけた日干し煉瓦製の建物の平面図だけではなく所有者まで記されているという優れものです。

つまり、それさえあれば、ベルリンの博物館に鎮座しているネフェルティティの胸像の発見場所に行きつくことができます。

というか、これがなければその場所には自力で辿り着くのは無理ですし、地元の自称詳しいガイドさんにお願いしても大抵の場合適当な場所を教えられるだけとなります。

しかも、看板や標識などないため、それが正しいのかどうかがわからず、彼の言葉を信用し満足しなければならないという悲しい事態に陥ります。


さて、懐かしい話はこれくらいにして本題に入ります。

アマルナに行った観光客が必ず立ち寄るアテン小神殿。

実はこの神殿の平面図で正確なものは存在していません。

現在はあるかもしれないので数年前までは存在していなかったというほうが正しいのかもしれません。

平面図というのは、その遺跡のレイアウトを上から眺めたもので、たとえばカルナック神殿やルクソール神殿の平面図は旅行ガイドにも載っています。

アマルナにあるもうひとつの有名な神殿であるアテン大神殿も平面図は存在するのになぜアテン小神殿の平面図が存在しないのかはわかりません。

もしかしたら、初期の発掘時に発表された間違ったものを鵜呑みにしてそのままになっているのかもしれません。

この手の話はエジプトの遺跡ではよくあることですから。


5年くらい前に私はそれをケンプにメールで指摘し、ついでに自作の「ほぼ正しい」平面図を送りました。

その時ケンプは近々測量し直して新しいものをつくると言っていたので、今は復元された平面構造に基づいたものがあるかもしれません。

彼のサイトを探しても見つかりませんでしたが。

ちなみに、以前の平面図のどこかダメだったかといえば、神殿の最重要建造物である至聖所のレイアウト。

具体的には柱の位置と奥に入る直角に曲がるユニークな構造をした部分となります。

間違ったアテン小神殿の平面図は丁寧に探せばネットでも見つけることができますし、正しい平面構造も同じく空中からアテン小神殿を撮影した写真から確認できますので興味がある方はお試しを。

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