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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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ツカンカーメン王墓から発見された鉄製ナイフ

ニュースで流れていたツタンカーメン王墓で発見されていたナイフが隕鉄製というものについて。


発表したのが日本の研究者ということもあり、河江氏など日本のエジプト学者は遠慮気味のコメントしか残していません。

ですので、役者不足は十分に承知していますが、とりあえず書かせていただきます。


まず、あのナイフが鉄製であることはもちろん隕鉄でつくられていたこともすでに前世紀からわかっていたことです。


たとえば、1999年の日付のある旅行記には格安ツアーのガイドからそれを聞かされたとあります。

さらにいえば、ツタンカーメン王墓の発見者であるハワード・カーターもその報告書でこの鉄製ナイフに錆がないことを言及していまいますし、最近でも2016年に隕鉄製のものという研究結果が発表されています。


ただし、これは聞きかじり的である情報なのですが、以前はこのナイフの素材は西方砂漠で見つかったものと成分は同じというようなことになっていました。

今回の発表はその部分との整合性はどうなったのか、それとも以前の話は修正という形で上書きされたのかはもう少々情報が出てから判断しなければならないようです。


また、そのナイフがミタンニ王がツタンカーメンの祖父にあたるアメンヘテプ3世に贈ったという話も、残念ながら千葉工大の先生のオリジナルというわけではなく、イギリスのエジプト学者ニコラス・リーブスが1990年に出版された著書「図説黄金のツタンカーメン」ですでに指摘してしています。


ですから、私にとってこのナイフが「隕鉄製」であることも、ミタンニでつくられたという話もはさして驚くような発表ではありませんでした。


では、この発表はゴミなのかといえば、そのようなことはありません。

多くの人にとっては興味を引くものであったわけですから。

ですが、前述したことにより天邪鬼である私にとって今回の報告のなかで最も興味があるのは、やはり隕鉄という部分とよりも、「漆喰」という表現されたもののほうでしょうか。


これがどのようなものを示しているのかはわかりませんが、「漆喰」と表現できるものは当然すでに多くの場所で使われていたにもかかわらず、ツタンカーメンの死後千年後までエジプトでは使用されていないと言い切っていますので、特別な何かなのでしょう。

そこまで言い切ったのでしたら、具体的な成分も発表してもらいたかったです。


ちなみに、ツタンカーメン王墓から発見された鉄製品はこのナイフだけではなかったはずなので、そちらの成分についても調べて発表してもらいたいものです。

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