タニスの王墓 ①
しばらく前からやるつもりでいたのですが、ようやくというところです。
時代的には私の守備範囲外である第三中間期の王たちの都であるタニスをなぜやろうと思っていたのかといえば、ここで発見された第21王朝と第22王朝のファラオ(プスセンネス1世、アメンエムオペト、シェションク2世)の墓は正真正銘の未盗掘の王墓だからです。
ちなみに、有名なツタンカーメン王墓は二回盗掘に遭っています。
つまり、この王墓には王の埋葬に必要なものがすべて揃っているということになります。
そして、その中で私が注目しているのは何度も言っていますが、冠類とファラオの尻尾こと牡牛の尾を模した腰飾りということになります。
ツタンカーメン王墓では、布製品、革製品はいくつも見つかっているにもかかわらず、冠類とファラオの尻尾という王を示すものが完品どころか痕跡もなかったことから、盗難にあったか、元々埋葬品に含まれていないのかのどちらという二択と思われ、私自身は後者だと思っています。
私はこの話は非常におもしろいテーマだと思うのですが、日本のエジプト学者は興味がないらしく、全く触れることはありません。
ですが、逆に言えば、言った者勝ち的状況でもありますので、一応個人的見解を述べておけば、冠類は次の王に引き継ぐものであるため、埋葬品リストには含まれないのだと思います。
そして、そのためにピエール・モンテが第二次世界大戦中にこの地を発掘した時の調査報告書も取り寄せましたので、これで準備万端です。




