エジプト旅行中自慢できる!カルナックにある「ラムセス二世の婚姻ステラ」
ラムセス二世の婚姻ステラ。
これは有名な「カディシュの戦い」後、宿敵ヒッタイトと平和条約を結んだ際にヒッタイトの王女がラムセス二世のもとに嫁いだことを記念してつくられたものです。
パッケージツアーでアブシンベル神殿を訪れた際にガイドが必ず説明するのでエジプト旅行した経験があれば記憶の片隅にあることでしょう。
ですが、この婚姻ステラは砂岩に刻まれたこともあり、非常に保存状態が悪く、読むことはほぼ不可能です。
ですが、現在でもその碑文を読むことができる、ヒエルグリフに疎く碑文全体を読むことが出来なくてもカルトゥーシュで囲まれた「マートネフェルラー」というヒッタイト王女に与えられたエジプト式の名を見つけることができるという特別な場所があります。
カルナック神殿野外博物館。
入ってすぐにある左右に奇妙なオブジェがついた小さな祠。
これは第三塔門と第四塔門の間存在した第十八王朝の王アメンヘテプ二世のアラバスター製の祠で、この中に入り左壁手前中部から上部を探すと彼女の名前を見つけることができます。
ですが、ラムセス二世は第十九王朝の王。
なぜ十八王朝の王の祠にその名があるのか?
ラムセス二世が得意な書き換え?
いえいえ、もう少し上を行きます。
この祠を解体し、その天井部分に碑文を書きカルナック神殿にも婚姻ステラを置いたのです。
ラムセス二世は。
せっかくですから「カルナックの婚姻ステラ」についてもう少し説明しておけば、ラムセス二世はこのステラを第九塔門付近に設置したようで、発見時の様子を写した写真がいくつかあります。
ですが、現在そのステラがどのような状態になっているかは現地に行かないとわかりません。
ちなみに、私はこれを野外博物館の祠で「マートネフェルラー」を見つけてから、痕跡を辿って第九塔門付近に置かれたステラに辿りつきました。
ということで、ここでは何度も取り上げていますが、この情報は自称エジプト通でも知らない人がほとんどなのでエジプト旅行中の「自慢できる情報」となることでしょう。
昔は別料金でしたが現在はカルナック神殿の料金に含まれているようなのでパッケージツアーの自由時間には是非トライしてください。