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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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アブシンベル大神殿 コーヒーぶっかけ事件

衝撃的なタイトルですが、これは実際にあった出来事です。

と言っても、1873年、つまり19世紀、日本でいえば明治最初期のことでありますし、このようなタイトルがついていたわけでもありませんが。

ですが、これほどの話をエジプトマニアと呼ばれる人の多くも知らないというのもいかがなものかと思ってしまいましたので、今回紹介させていただきます。


実際のところ私もアブシンベル神殿は何度も訪れたことはありますが、ガイドからこの話を説明されたことはありません。

試しに検索をかけても出てきませんので、少なくても日本では知られていない話なのでしょう。

ということで、今後、この話が日本で有名になったら、ここが出発点と思っていいでしょう。


さて、自慢し~な前置きはこれくらいにして、本題に入ることにします。

まず、登場人物を紹介しておきます。

アミリア・エドワーズ(Amelia Ann Blanford Edwards)。

イギリスの作家なのですが、エジプト好きにとっては、EESの創設メンバーのひとりと言ったほうがわかりやすいかもしれません。

そのような方が本当に有名な遺跡にコーヒーをかけたとは信じられないでしょうが事実です。

この手の話を聞くと、時々ニュースになる寺院などでの落書きを思い出すでしょうし、今世紀に同じようなことを起こせば、当事者が世界中から袋叩きに遭うだけでなく、国際問題にだってなりかねません。

そのようなことが、エジプトの遺跡に造詣があり保護活動に熱心だった方によっておこなわれたのか?

実は理由があります。

それもまじめな。

今では許されませんが、とにかくそれは彼女にとってはまじめな理由であったのです。

彼女がアブシンベルを訪れた時、少し前にやってきた某博物館から依頼された人物によってアブシンベルの大きなラムセス像の顔型が取られ、その結果として顔が石膏だらけになっていたのです。

それを見た彼女は当然怒り狂い、その修復、というか白塗りから回復させるために思いついたのがコーヒーを沸かして像にかけることだったというわけです。


これは胡散くさい。

デマだ。

妄想だ。


そう言われそうなので、最後に出どころも明らかにしておきますが、それはなんと彼女自身の著書「A Thousand Miles up the Nile」の第16章。

彼女によれば、その「努力」により完璧ではないが、だいぶマシになったというその姿は、18世紀末から19世紀前半の写真で確認できますので興味のある方はどうぞ。


そして、私がこの話を知ったのは、NHKの「未来への遺産」の関連本です。

古書店で比較的容易に見つけられるので興味のある方はどうぞ。

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― 新着の感想 ―
[一言] なぜコーヒーだったのでしょうか? 「お酢」をかけたのだったなら、分かる気もするんですが。 それにしても、石膏型を取ったあと、ちゃんと綺麗にしていかなかった某博物館から依頼された人物が、駄目…
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