カルナック神殿でツタンカーメンの痕跡を探そう
カルナック神殿がエジプト好きにとっていかに楽しい場所なのか。
もちろんそれぞれが好きな時代によって違いますが、今回はツタンカーメンにスポットを当てます。
パッケージツアーに同行するガイドの説明にもそれは登場します。
余程のハズレでないかぎり。
第一塔門を過ぎた第一中庭呼ばれる場所の中央に鎮座するスフィンクスはツタンカーメン時代のものとされています。
そして、奥へ進み至聖所手前の座像。
これは名前の書き換えがおこなわれているものの、元々ツタンカーメンのものだった。
ただし、だいたい普通の説明のなかではツタンカーメンの名前が登場するのはこれだけで、圧倒的な数のラムセス二世の名と比べ、「ツタンカーメンはやはり無名の王だったのだな」と思ってしまいます。
そして、それとともに有名なツタンカーメンの名前を観光中に見ることができないのは、不完全燃焼的な気持ちになります。
実際のところ、ツタンカーメンの名前を確認できるのは、本人の墓以外では、博物館にある遺物が大部分で、パッケージツアーで観光するような遺跡でその名を確認できるのはほぼないと言っていいです。
ですが、その例外ともいえる場所がカルナック神殿となります。
ただし、これを成功させるには少々の時間とかなりの忍耐が必要となります。
一応、場所を説明しておけば、カルナック野外博物館の東にあるブロック置き場の端の方をくまなく探すとハッキリとツタンカーメンの名が残るブロックが見つかります。
もうひとつは第二塔門手前を右に進んだところにあるブロック置き場。
こちらにも最低でもふたつ、書き換えがおこなわれておらずツタンカーメンの名がはっきりと読めるブロックがあります。
実はツタンカーメンの時代の装飾には特徴があって、名前がなくてもその一部と見分けることが比較的容易です。
まあ、コツは必要ですが。
せっかくですから少々説明を加えておけば、ツタンカーメンがおこなった建築事業は折れたオベリスクが建てられた場所の西側にある壁に辺りとされ、その部分にもホルエムヘブの名に書き換えられたツタンカーメンの痕跡があります。
さらにカルナック神殿の外側、第十塔門からムト神殿へ続くスフィンクス参道のスフィンクスにツタンカーメンの名が読めます。
こちらは書き換えがおこなわれていますが、書き換え作業が下手だったのか元の名が残っていることによって読めるというものです。
