アマルナへの扉

ルクソールからギザへ石材運搬をした？

２０２５年７月１５日にテレビ朝日で放送された「グッド！モーニング」のニュース検定のコーナーでアナウンサーがこのような説明をしていました。

ギザのピラミッドの建造で使用された石材は、ギザから８００キロ離れた「ルクソール」からナイル河を利用して運搬された。

さすがにこれは酷い。

どこからの情報かは知りませんが、これは明らかな間違い。

まず、ギザのピラミッドを構成する石材の大部分はピラミッドのすぐ近くで掘り出されたもの。

そして、ピラミッド建造のためナイル河を利用して運ばれた石材は主にふたつ。

外装石として利用するために必要だった目の細かい良質の石材は地元では採れなかったため、対岸のトゥーラから運んだ。

もうひとつは、ピラミッドの重要部分に使用される花崗岩。

これはルクソールよりもさらに南のアスワンから運ばれました。

花崗岩の利用場所で有名なのは、クフ王のピラミッドでは「王の間」の石材、石棺、「重量軽減の間」の石材、「通路を塞ぐ閉鎖ブロック」、カフラー王とメンカウラー王のピラミッドの外装石となります。

ちなみに、ルクソール近郊には石灰岩の採石場があります。

つまり、ルクソールから石材を運搬した場合、その石材は石灰岩となります。

石灰岩は地元で豊富で採れるのですからそのような遠方から運びません。

当然全国のエジプト好きから苦情が行ったでしょうが、聞こえなかったことにするのでしょうね。

テレビ朝日は。