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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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王墓の設計図

これはあまり知られていないことのようですが、王家の谷の王墓設計図が作成されています。


ちなみにその設計図はラムセス七世のものです。


一応、断っておけば、ここでは設計図と表現しましたが、本当の意味での設計図だったのか、それとも完成後の記録として残したものなのかははっきりとわかっていません。

どう見ても未完成と思われるこの王墓をそっくり写していることから、後者の説が正しいように思えます。

ただし、そうなると、このような例がこの墓だけということはなく、どの王墓でもこのような形で記録として残しておいた可能性が高いです。

筆まめな古代エジプト人なら十分にあり得ます。


また、墓職人が漫然と穴を掘り、適当に形をつくっていたことは考えにくく、やはり、本来の意味での設計図も存在していたと思われます。

そして、残されていたのは平面図だけですが、装飾についてもあらかじめ決定されていたのではないかと思われます。


もちろん、その場合でも、硬い地層にあたり計画どおりに掘り進めなかったり、知られていなかった他の墓に突き当たったりして変更することは往々にしてあったようですし、被葬者の寿命の関係で、工事が打ち切りになったり、逆に増築をされることもあったと思われます。


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