力の代償
「で、だ。俺たちの仕事なんだが、刀の晶具二つの回収なんだよな」
ジンは敵意を向けずに冷たい大地に立ち尽くす赤馬に声をかけた。周りで手榴弾を投げている空手部員たちの掃除は葉村に任せっきりだ。
「なんだ貴様は……」
振り向いた貌に再び力が漲る。
「本土の極道組織、竜胆会のモンだ。うちのオヤジからの命令で、二振りの刀をいただきにきた。アンタの兄貴には仕事が終わったらもらい受けることになっていたんだが……」
ジンは契約書を赤馬に見せる。
「別に使い手を殺せとまでは書いてないんだよな。どうだ? アンタがその血刀を振るえる場所はまだまだあるし……兄貴を狙って殺した女のことも気になるだろ?」
口車に乗せるのが上手いわね、と葉村はため息をつく。
「巫女か……あの女とは何度か関わったことがあるが、兄の死と関係があるのか?」
「あるも何も、この部活バカのサルたちを焚きつけたのはあの女だぜ? 何が狙いかは分からんが、それを暴いてみる気はねえか?」
あの女の出没する地域には奇妙な現象が起きる。
神戸では妖魔怪異の類が出現し、北海道ではおよそ文明国家とは程遠い世界そのものが現出していた。
あの女は異世界を作り出して何がしたい?
浮かび上がってきた疑問を保留にして、ジンは誘いをかけた。こんな戦力を野放しにしておく手はない。
「とりあえず生きてみようぜ。そうすりゃ、見えてくるものもある。竜胆会は歓迎だ。そして、俺たちはあの女を追っている……どうだ、利害は一致してるだろ?」
「ふん……今は貴様の口車に乗ってやる」
「OK! 契約成立、だな」
「だが……条件がある」
「へえ? なんだ?」
膨れ上がる殺気に気付かないジンではなかった。背中の大剣を抜く。
「貴様の力を見せてみろ。雑魚に従う気はない。力が欲しくば、力を見せてみろ」
こんにちは、星見です。
今日は代休日ということで自宅でのんびり過ごしています。
10月は休日出勤が多いせいか、平日が代休日になることが多いです。
さて、あと4~5回くらいで終わる予定です。年内には……今度こそ。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




