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虚ろな境界【哭冷凍土戦線】  作者: 星見流人
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虚ろな存在

 刀を振る。刀を振る。刀を振る。

 焦りに駆られて、怒りに駆られて、怖れに駆られて。

 これまでの生きてきた意味を取り戻さんとするために。

 あの女は確かに言った。

 彼は兄に負ける運命だ、と。

 これまで積み上げた数多の研鑽は意味をなさず、徒労に終わり、これまで築き上げた屍の山は意味をなさず、無駄に終わる。

 一体何のために生きてきたのか。

 一体何のために生きていくのか。

 一体何のために刀を振るのか。

 一体何のために刀を握ったのか。

 それすらも分からず、己の命は無為に終わる。

 そうだとするならば。

 結局のところ、自分は何をして、何を遺したのだろう。

 そして、自分は何者なのだろう。

 力を込めた一閃は舞い散る粉雪を砕き散らし、白銀の大地に爪痕を残した。

 呼吸を整え、彼は刀を構えなおす。

 そして、ひたすらに刀を振り続けた。

 先ほどの問いには答えはない。

 そして、答えを与えてくれる者はいない。

 結局のところ、それは彼自身が見つけ出すしかないのだ。

 強さを以って己の存在証明とするなら、これほど簡単な解決方法はないだろう。しかし、それは叶わなくなった。

 乱れた心で、それでも彼はその刀を振るしかできない。

 遺伝子に刻み込まれた教え、明鏡止水とは程遠い。否、明鏡止水になど至れようはずもない。

 どうやら自分は人工的に作られた存在にんげんらしい。

 ただ舞台の上で与えられた役割をこなすためだけに生かされている存在らしい。

 それをヒトと呼べるのかどうか分からないが、その役割を終えれば消える存在らしい。

 何のことはない。

 最初からすでに終わりは決まっていたのだ。

 心臓が始まった時から、心臓が止まる時が決まっていたのだ。

 彼は刀を振るのを止めた。

 乾いた声で嗤う。

 四肢に力は入らず、その心に宿っていたはずの意思の炎は消えかかっていた。

 もしここで、彼があの青年に会わなければ、未来予測は外れなかっただろう。

「何を惑っているのか知らぬが、主は相当な手練れと見受ける。この北海道を去る記念に一つ仕合を申し込もうか」

 白髪頭の青年は静かな殺意をたたえて、彼の前に立っている。

 降っていた雪は止んでいた。

こんばんは。

風邪ひきになってしまった星見です。

新型コロナが再び猛威を振るっているかのように報道されていますが、私は相も変わらず、職場と家との往復で、パソコンに向かってカタカタとキーを叩いています。


弟が兄を超える瞬間ってロマンを感じません?

私が弟だからでしょうか(笑)


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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