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ルミナリーファンタジーの迷宮  作者: 蒼城双葉
第二章 ソロモン島編
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第二章4   『発見!? カブトムシ』

(まよ)いの(もり)》を歩き回る俺たち。

 壁伝(かべづた)いに歩くけど、一向(いつこう)に進んでいる気がしないのは気のせいだろうか。

「そろそろまたオカリナでも()いてみるか」

 (なぎ)に言われて、俺は《(なぞ)のオカリナ》を()いてみた。

 しかしなにも起きない。

 すると。

 突然(とつぜん)

 ピッと――俺たちの頭上(ずじよう)(まど)(あらわ)れ、(すず)ちゃんが(うつ)った。

「みなさんおはようございます。今日は(おく)れてしまいすみません。あたし中学の補習(ほしゆう)で数学を選択(せんたく)していたので、一限目(いちげんめ)だけ出てきました」

 (なぎ)(まど)に向かって手をあげた。

「やあ。鈴ちゃん、早かったね。予定では午後ってことだったのに」

 鈴ちゃんは得意げな()みを()かべて、

「これくらい余裕(よゆう)です」

「でもダメだぜ? 鈴ちゃんひとりの補習(ほしゆう)のために、夏休み中の先生かり出すなんてさ」

(ちが)いますよっ。補習(ほしゆう)全生徒(ぜんせいと)が科目を選択(せんたく)して受けるものなんです。あたしは成績も問題ないのでご心配なく」

 確かに鈴ちゃんは頭がいいからその点問題ないだろう。凪はそんな鈴ちゃんの説明も聞かずに呼びかける。

「せっかくならいまからおいでよ」

「時間も時間ですし、あたしは午後から合流します。それより先輩(せんぱい)(こま)ってますね」

 ちょっぴりドヤ顔になる鈴ちゃん。いつも凪におちょくられている仕返しと言わんばかりである。

「でもいいところに目をつけましたね。どうです? 先輩(せんぱい)。あたしのお助け欲しいですか?」

 鈴ちゃんが意地悪(いじわる)っぽく微笑(ほほえ)んで、勝ち(ほこ)ったように凪を見下(みお)ろす。

「いらないよ」

「そうですよね。ふふっ。でも、どうしてもって言うなら――て、いらないんですか!?」

「うん」

 ケロッとした顔で凪がうなずく。

 急にさみしそうな顔になって、鈴ちゃんが聞いた。

「なんでですか?」

攻略(こうりゃく)は自分たちでするから楽しいんだ。そんなものより、ぼくはキミがそばにいてくれたほうが(うれ)しいけどね」

「なっ、なに(はじ)じゅかしぃこと言ってるんでちゅかっ」

 顔を赤くした鈴ちゃんが()()みで凪に言い返すと、ピッと(まど)が消えた。

 さっきまで勝ち(ほこ)っていたけど、残念ながらあの反応じゃ鈴ちゃんの負けだ。

 凪は頭の後ろで手を組んでつぶやく。

「ちぇっ。せっかくなら早く合流(ごうりゅう)したかったのに、いっしょにゲームしようって言う前に切られちゃった。リアクション担当(たんとう)がいたほうが()()がるってものなのにさ。一人だけぼくらの冒険(ぼうけん)鑑賞(かんしょう)してるだなんて、のんきなもんだなあ」

「のんきなのはおまえだよ。鈴ちゃんはわざわざ急いで来てくれた感じだったろ。それより、さっき鈴ちゃん言ってたね」

 逸美(いつみ)ちゃんが聞き返す。

「なにを?」

「いいところに目をつけてるってさ。きっといっしょに見てる潮戸(しおど)さんから攻略法(こうりゃくほう)を聞いて、俺たちの考えが間違いじゃないってわかってるんだよ。きっとオカリナが関係してると思うんだけど……」

「しかし鈴ちゃんには(こま)ったものだよ。答えを聞いちゃうなんて、ゲームの楽しさってのをまるでわかってない。ありゃゲームソフトと攻略本(こうりゃくぼん)同時(どうじ)に買うタイプだね」

 え、いっしょに買っちゃダメなのか?

 凪がやれやれと手を広げた瞬間(しゅんかん)、ピッと(まど)が現れ、

先輩(せんぱい)、おしゃべりばっかりじゃダメですよ。もうそろそろお昼ですからね」

 鈴ちゃんがそれだけ言うと、また(まど)は消えた。

 凪はぼーっと鈴ちゃんを見てから、俺に言った。

「ほうほう。鈴ちゃんがカリカリしてる。お昼の話までしてお腹がすいたらしい。待たせちゃ悪いし、さっさと行こうか」

「別にお腹がすいたってわけじゃないと思うよ。でも、オカリナはこの森で使うってわかっただけでも収穫(しゅうかく)だ。とりあえず壁伝(かべづた)いに歩いて行こう」

 それらしい方策(ほうさく)がないいまでは、壁伝(かべづた)いに進むのが無難(ぶなん)だ。今度は凪も反論(はんろん)せず、(だま)って(したが)った。

 歩き出したそのとき。

「あっ、開」

「ん?」

 凪が見ている先へ目をやると。

「あれってまさか……!」

「うん。カブトムシだ!」

 カブトムシのモンスター、発見!

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