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君が僕にくれた宝物  作者: 豊
9/10

~複雑な心境~

あの日から僕は真理さんと遥さんには会っていない。もう会わない方が二人にとっては良いのかもしれない。何度か遥さんから来たLINEも見ずに返事を返せずにいた。

僕に恋愛経験があれば、傷付けないでいれたのだろう。そう考えると胸が締めつけられる思いだった。

あの負けん気の強い真理さんが流した涙は僕の心に深く突き刺さっていた。

こうして長い冬休みが終わりを告げた。


学校帰りのバスに真理さんと遥さんの姿はなかった。誰も傷付かない恋は恋愛小説の中だけで、現実はこんなにもリアルで辛いなんて思ってもみなかった。

充実した数ヵ月間は夢物語のように泡となって消えていった、そう自分に思い込ませるしかなかった。

家路をたどる夕暮れの中、僕の家の前に居たのは真理さんだった。


真理さんは僕に気付くと気まずそうに会釈をする。「あのさ、遥と連絡取ってる?」首を横に降る僕。

「実は私が豊に告白をしたことを遥に言ったの。今度はしっかり遥と豊を応援しようと思ってさ…。けどさ、遥ってばあんなズルいことをした私に、ごめんって謝ってきて…それでつい私がカッとなっちゃって…」そこまで言うと真理さんはその場で泣き崩れた。

僕は真理さんに何も言ってあげられなかった。あの時、何も言えない自分に後悔していたはずなのに…。


僕は真理さんと近くの公園で真理さんが落ち着くまでベンチでたたずんでいた。

「私、遥に謝ってくる…、ごめんね」僕は覚悟を決める。「僕も一緒に行くよ。遥さんに僕の気持ちを伝えたい」真理さんはさらに目に涙を浮かべて静かに頷いた。

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