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君が僕にくれた宝物  作者: 豊
7/10

~僕の心の成長~

冬休みということもあり、ベッドに寝そべりながら小説を読んでいると、いきなり真理さんからLINEメッセージがきた。

~LINE~

真理さん「あんた暇?どうせ冬休みだから暇なんでしょ?」

僕「暇ですけど」

真理さん「二人で遥ん家の新作料理を考えてるとこなんだけどあんたも来ない?」

僕「おじいさんと真理さんでですか?」

真理さん「は?遥に決まってんでしょ!」

僕「行く!行きます!」

真理さん「それじゃ、早くきなさいよ」


僕は早々と家を出た。

大通りを抜け、閑静な住宅街にでるとおばあさんが重そうな荷物を持っている。

「あの、手伝いますよ」そういうとおばあさんは笑顔でありがとうと言った。おばあさんの行き先は、さっき通った大通りにある八百屋さんだった。おばあさんの荷物を持ちながら、ふと考えた。僕はいつから他人を思いやれる人間に成長したのだろうか。そんなことを考えている内に八百屋に到着した。何度も感謝してくれたおばあちゃんの顔を見たら心が温かくなった。

そしてお礼に今が食べごろのカボチャを頂いた。何度も断ったのだが、おばあちゃんも含め、八百屋の店長であるおばあちゃんの息子さんがどうしてもと言うので頂いた物だった。


そうこうしている間に結構時間が過ぎて遥さんの家に着いた。

インターホンを押すと遥さんが笑顔で迎えてくれた。

相変わらず真理さんは、ニヤついた顔でカボチャと遅れた理由を何度もネタにする。

冬の新作メニューのノートを見せてもらうと、まだ具体的な材料も決まっておらず、試行錯誤した様子が伺えた。「カボチャを使ったメニューは出来ないかな?ほら、定食屋なのに期間限定で洋食もありますみたいな…」そこまで言うと真理さんが「それよ!それ!ご飯じゃなくてパンとか!カボチャはポタージュにしてさぁ…」と盛り上がる。「それもいいかも!」遥さんも楽しそうだ。

僕の小さな親切がカボチャになり、そのカボチャが二人の笑顔になる。些細なことだけど、人はやっぱり何かで繋がっていて、人は人を輝かせているんだなと思った。

二人の楽しそうな顔を見ていると、ほんの少し前までバスの中で彼女の顔を見ていた自分が、はるか昔の出来事のように思えて仕方なかった。

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