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君が僕にくれた宝物  作者: 豊
5/10

~僕の日常~

教室の窓から見える景色はいつもと変わらず、遠くには工場地帯があり、煙がモクモクと上がっている。


煙は上空まで昇っていくとやがて消えていく。僕はこの殺風景な景色が好きだった。


何も無い空を見ながら、遥さんの事を考える。いつも楽しそうに笑う笑顔は僕の心を優しくしてくれる。

彼女はまだ僕と同じ16年間しか生きていないのに、僕よりも辛い人生で、僕よりも多く傷付き、それでいて僕より楽しそうにしている。


僕はやっぱり遥さんが好きなんだと思った。最近は恋愛小説の主人公とヒロインを僕と遥さんに重ねている。


そのせいか、ハッピーエンドで終わる小説ばかりを好むようになっている。いくつもの恋愛小説を読む中で、僕なりに分かったことがある。


死別させたりする物語は、後味が悪くなるけど心に残る。僕だったらこうしたいとか、こうあればよかったのにと様々な角度から物語を想像するから心に残るのだ。



しかし、ハッピーエンドはそれだけで満足して、その後の想像はなくなる。読み終わりだけで満足してしまい作品としての後味がいい意味で無くなる。


それでも僕は、ハッピーエンド作品が大好きだった。誰も傷付かず、みんなが幸せに包まれる作品は、心に残らなくとも、最後は幸せな気持ちで満たされるからだ。


僕は休み時間になると小説を書くようになっていた。タイトルは『始まりはバスの中から』主人公とヒロインが、いつも笑顔で永遠の愛を語る作品だ。しかし、小説は読むのと書くのでは全く違うものだと実感した。


完成したら、遥さんに読んでもらうんだ。僕はその一身で小説を書いていた。

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