5話 聖騎士
・・・・
「ん〜ん、あ〜あ。朝か。」
外を見ると明るくなっていた。
「由衣〜起きろ〜。」
「あと、5分だけ〜、」
と返ってきたのは学校に行く前の朝に弱い人の発言だった。
「…もう8時だよ!」
と今が何時だか知らないが、遅刻する時刻を言った。
「え!?嘘でしょ!?」
と飛び起きた。
「あれ、?輝?」
と何故か状況を把握できてないようだ。
「何、寝ぼけてんだ?」
と言うと。
「あ、私達、異世界に来たんだったね。」
と突然しょぼんとしてしまった。
「落ち込むなって!昨日もいったろ?この世界で頑張って生きようって!」
由衣を元気づけようとすると。
「そうだよね。この世界で生きないと、」
少し明るくなった。
トン.トン.トン
「お食事のご用意が出来ました、ダイニングまでいらしてください。」
とマルスの声がした。
「ご飯だってよ、いこうぜ」
「まって!髪整えないと!」
とぼさぼさの髪を指で指していった。
「じゃあ、先行ってるわ」
「ちょ!まってよ!」
由衣のことを置いてダイニングに向かった。
ダイニングに着くと
「おはよう、昨日はよく寝れたかな?」
とレインさんがいたのだ。
「おはようございます、よく寝れましたよ」
「そうか、それならよかった。」
「戻ってらしたんですね」
「ああ、確認しに行ったようなものだからな。」
「なんの確認をしたんですか?」
少し間があき、
「その話は後でにしよう。」
と考えた表情だった。
「ちょっと!輝!置いていかないでよ!」
と少し騒がしく由衣が入って来た。
「あ、レインさん、おはようございます!」
と元気に挨拶をした。
「ああ、おはよう。朝から元気だな」
と笑いながらレインさんは言った。
由衣が席に着くと
・・・・
朝はスクランブルエッグにカボチャのスープそして何かの果物とサラダが運ばれてきた。
「いただこう。」
「いただきます。」
「いただきます!」
多分全て知らない食材で作られているだろうと思いつつも口に料理をはこんだ。
勿論すべて美味しかった。
「ご馳走様。」
「ご馳走様でした。」
「ご馳走様でした!」
と朝の食事が終えた。
「さて、では、私の部屋へくるといい、昨日の話の続きをしなくてはな、それに私から君たち2人に話さなければならない事があるんだ。」
と真剣な口調でいった。
・・・・・・・・・・・
レインの部屋に入ると
部屋の大きさは俺らの部屋の2倍はあり、カーペットは赤がメインとしたもので、中央には大理石で出来たテーブル、そしてテーブルを中心に赤のソファーが2つ向かい合った状態で置いてあった。
そして部屋の隅々には本棚が並んでいた。
「すわりたまえ。」
座るととてもふかふかしていた。
「いいソファーですね」
「すごく柔らかい。」
と俺達がソファーに関してふれると、
「ああ、これは特注で作ったものだからな」
少し自慢げに言った。
ここからが本題だ。
「さて、まずは7聖が揃ってない無いという事だが、現在、7聖は5人となっている。そして、運命で定められているというのは、「聖騎士の書」というものがあり、そこには予言が写し出されるのだ。」
「そこに、レインさんの名前が書いてあったんですか?」
「いや、正確的には特徴が書かれるらしい、」
少し曖昧な答えだった。
「質問はあるかな?」
「いいえ、次に進んでください」
「この王国には、騎士がいる、種類で分けると
下級、上級、そして聖騎士、我々のことだ」
「聖騎士は、魔法を使うことができ、圧倒的な強さを誇る。これが聖騎士の決まり事だ。」
「魔法ですか?」
と由衣が聞く
「ああ、ヒカルはみたことはあるだろ?」
「一応、1度だけ。」
「私が使えるのは、水系統の魔法だ。」
「氷じゃないんですか?」
「水といっても自由自在にコントロールをして、気体、液体、固体を使うことができるんだ。」
「なるほど」
「そして、魔法には7種類あって、火、水、雷、地、風、光、闇、これが聖騎士が扱うことの出来る魔法だ、」
「聖騎士は全部使えるんですか?」
「いや、1種類が限界だと思っている。」
「私も1種しかつかえないのでな、」
と少し悔しそうな顔をして言った。
「だが、光と闇の魔法を使える者が聖騎士の中にもいないのだ、」
「は~、」
とレインさんはため息をつき
「君たちは、昨日、この世界にやって来た、それが事実なのだな?」
「はい、そうですが」
・・・
少し間が空き
「この2つの適正を持つのが、君達である可能性が高いんだ、」
・・・??
「え?」
「え?」
二人そろって何を言ってるの?という顔をしてしまった。
「レインさん?何を言ってるんですか?」
と俺が言うと、
「昨日、夜外出をしたのは聖騎士の書に新たな予言が書かれたからだったんだ。」
「それを見ると、(二人の外来者、闇と光の適正を持つもの、7聖の席2つを埋めることになるだろう)と書かれていたんだ。」
「そこで、急だが、この剣を抜いて貰いたい、」
と出されたのは銀色で柄の先には小さな水晶がついている剣を2本だされた。
「これは、聖騎士の剣ですか?」
持つと丁度いい重さでカッコイイと思った。
「ああ、抜いてみてくれ。」
由衣と俺で一斉に抜くと、
由衣の水晶が白く光って
俺のは黒くなった。
するとレインさんは勢いよく立ち、
「君達が、残りの2席の聖騎士なのか、」
と待っていたと言わんばかりの顔でいった。
・・・・・・・・俺達は王国最高位の騎士になってしまった。・・・・・・・・・