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〜二人の転生者〜   作者: 小林 ゼロ
第2章 〜獣人との戦い〜
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2話 真実

「ソイルとレティとバーンは後方支援、マルスとレインは第二隊、僕とヒカルとユイは先に行くぞ!」

ウィンドはそう指示すると、最初に敵に突っ込む

皆、ウィンドの指示どうりに行動を始めた


「シャドーバンプ&シャドーミスト!」

「シャイニング・ハート!」

俺と由衣は一気に最高火力まで力と速さを上げる!


「シャドーバインド!」

影の力で敵の動きを封じた。


「こんなものが我に通用するとでも?」

奴の腕と足を縛る影を無理やりちぎった。


「はぁー!!」

「これで!」

俺と由衣はバインドを解いた獣人に最速で切りかかる!


「それは攻撃か?」

奴は二本の剣を抜き、攻撃を受け止めた。


「ヒカル!ユイ!そのまま抑えていろ!」

背後からウィンドが斬りかかった!

「ハリケーン・テンペスト!」


「サンダーバード!!」

『グランドバースト・ファイアー』

後方からソティ ソイル&バーンの魔法を敵にくらわせた!


相当の火力をこいつにくらわせたが。


「終わった?」

え、ちょっと。


「由衣さん?」


「何?どうしたの?」

「気付いてないだろうから、言うけどさ、フラグ建てないで。。」

「べ、別に建てたくてたてたんじゃないわよ!」


由衣はツンデレにジョブチェンジした。


だか、爆煙が消えるとそこには黒く焦げた奴が倒れていた。

確かにかなりの攻撃だったが、あれで死ぬのか?


「ほーら、ちゃんと死んでるじゃない!」

「あ、ああそうだな、悪かったな由衣。」


「気を抜くな!」

ウィンドは剣をまだ構えていた

その一言で皆の緩い空気が一気にピリピリとした空気に変わった。


「がァ、きさ,マラ。」

黒く焦げた獣人はゆっくりと立ち上がった。


「あーあ、やっぱり、由衣のせいだな。」

「勝手に私のせいにしないで!」



次の瞬間、獣人は消えた!

だが、奴には剣も折れ、攻撃手段が無いはずだ。

俺は周囲を観察し奴を探す。


「ぐぅあぁぁぁぁ!!」

この声はバーンの声!

バーンを見ると、獣人がバーンの腹を手で貫いていた。


「ん〜ん、いいコエだなぁ。」

獣人は手を抜き倒れ込むバーンの顔を踏みつける


「がぁ、ぐぅぁ。。」


「いいねぇぇ!最高だよ!でもねぇ、うん、死んでいいよ君。」

獣人はバーンの顔そのまま、グシャっと踏み潰した、

バーンの体は一瞬ビクッとして、ぐったりとなり、

血が飛び散り、頭を潰したので脳みそも出ていて、

バーンは死んだ。


「ふ、はははは!!人間はやはり脆いなぁ!」


「ライトニングボルテックス。」

バリィ!

「がぁ!!」


ソティはいつもの高い声ではなく、少し低い声でこう言った。


「お前を許しはしないわ、絶対殺してやるのよ。」

ソティは獣人に対して憎悪の意をだし、指を指してそう言った。


「あいつは、いつもうるさくて、やかましい、そんな奴だったけど、楽しかった、だから、私はあいつが死んで、今、凄く怒っているのよ。」

ソティは黄色いオーラを纏い、いつものソティではなかった。


何故なら一人称が自分の名前では無く、『私』なのだ。


「何言ってやがる、許しなんか乞う気はねぇーよ。」

「なら良かった、死ぬがいいかしら。」


「サンダーカット!」

無数を雷の刃が敵に向かう。


「貴様の攻撃はうんざりだぜ!」

敵は壁を蹴り空中を飛び回って避ける。


「その刃は弾け飛ぶのよ。」

刃は細かく弾け飛び四方八方に飛び散った。


「ぐぅそが。」

細かい刃が奴の体に刺さった。


「はぁー、はぁー、身体が、痺れるなぁ。」

「当たり前かしら、それは電気の刃なのよ。」

獣人は少し動きが鈍くなってきた、


「ソティ!そのまま、奴の牽制を頼んだ!」

「ウィンド、悪いけど、今回は私は牽制ではなく、殺しに行くのよ。」

ソティはウィンドの命令を初めて聞かなかった。


「くっ、、了解だ、俺達はソティの援護に回るぞ!」

ウィンドも悩んだようだが、今のこの状況からソティに任せたようだ。


「兄様、一分だけ、時間を稼いで。」

「まさか、あれをやるのか?」

「そうよ、あれでしか、あいつは倒せないのよ。」


「はぁ!」

「せぇい!!」

俺とマルスで先攻する。


「ぐぅ、あまいわ!」

俺とマルスの剣を捌き、後ろへ避ける。

獣人はやはり、ソティの攻撃で弱まりつつあるが。

この違和感はなんだ。


「その程度の攻撃では死なないのよ!」

「ソティ!どういうことだ!」

俺はすぐさま聞き返す!


「そいつは『永遠細胞』という細胞を持っているのよ、その細胞は傷ついた細胞をとてつもない早さで回復させてしまう、つまり、どれだけ攻撃しても、そいつは死なない、つまり不死身なのよ。」

は?不死身?


「そんなもん、倒せっこねぇよ。」

「でも、一つだけ倒す方法があるわ。」


『そいつの細胞を一瞬で無くせばいいのよ。』


「それをどうやって!」

「私が全力で魔法を放つわ、だから、そいつの動きを一瞬でも止めて欲しい。」


「わかったぜ。」

「わかったわ!」

「なるほど、了解だ。」

「承知。」

全員ソティの力を信じて受け入れた。


「そして、この魔法の発動には一分、時間が欲しいの」


そう言うとソティは魔法詠唱を始めた。


俺達は首を縦に振り、ソティの時間を稼ぎに行く。


俺は一生でこんなに長い一分という時間を感じないだろう。


攻撃しては弾かれ、敵の攻撃が入り、避け、また攻撃、

それが永遠のように続き、敵に剣が入っても、傷が塞がる、

ソティが言っていたことは本当だった、

こいつは不死身だ。


「ソティ!まだか!」

俺は一分はもう経過しただろうと思った。


「まだ三十秒しか経過してないわ!」


まだ三十秒!?

きついぜ、これは。


「ソティ、本当にこれをやるのかい?」

「ええ、そうなのよ。」



「これでおワりにしてヤる、」

獣人は両手をあげると、真っ黒い玉が出来てきた。

間違いない、これを放ったら、これがこいつの最後の攻撃になる。


「いけるのよ!抑えて!」


「シャドーバインド!」

「アイスブロック!」

「ハリケーンバインド!」


「こしゃくな!はぁ!!」

獣人は真っ黒い玉をぶん投げた!


「バーン、力を貸してくれ、」

ソイルはバーンの剣をとり、自分の剣と交差させて魔法を唱えた!

「エンドファイア・ガイアインパクト!」

隕石のような炎を纏った岩石が黒い玉に向かって放たれた!


黒い玉と隕石がぶつかり合い、激しい爆裂音と衝撃波が周りを吹き飛ばす。


「妹よ、後は任せた、」


「ええ、もちろんなのよ、兄様とバーン、ほかの仲間の時間を無駄にはしないのよ!」

ソティは両手を前に突き出した!


「ファイナル・エンシェントボルト!!」

黄色い雷ではなく、青い雷が放たれた!


「か、体が動かない、。」

「ぐぅぬぬ、」

「はぁぁ。」

「・・・」

俺達は必死にこいつを抑えることに専念する。


バリリリリリィィィィィィィ!!


「ぐぎゃぁぁぁぁああゃァァ!!」


「ぐぅごご、こんな攻撃、すぐ再生してぇヤ、る、」


「もう、むりかしら、貴様は死ぬのよ。」


獣人の体が少しずつ消滅していく、

「がッは、我がここで、シぬわけ、にハ、い、かぁ、な、。。。。」


完全消滅、ソティの攻撃は見事に敵を消滅させた。

だが、俺達は喜べやしない、疲れているとか、そんなんじゃなく、

仲間が一人、死んだのだ。

数々の戦いの中で上級階位の騎士が死ぬのは初だ。

重傷を負った騎士はいるが死んではいない。


「これで、いい、の、ょ。」

ソティが倒れ込んだ。


「大丈夫か!ソティ!」

ソイルはソティの元へ駆け寄る。


俺は嫌な予感がした、あれだけの魔力、もしかしたら自分の生気も使って放ったのではないかという不安だ。


「兄様、そんなにうるさくしなくても大丈夫なのよ。」

ソティはかなり衰弱していたが、生きていた。

だが、やはり、生気までも使った魔法だったようだ。


「さて、バーンの墓を作るか。」

「まさかここに埋めるのか?」


「ああ、もちろんだ、それが決まりだからな。」

確かに、死んだ騎士はそこで埋められるのが決まりだ。

でも、流石に連れて帰って埋める方が報われるだろ。


「わかったよ、ウィンド。」

「理解が早くて助かる。」


俺は精魂込めて、穴を掘る。

出来た穴に、そっとバーンを置き、土を被せてあげる。

最後に剣を刺し、完了だ。

だが、最後ウィンドの剣の刺し方がおかしかった。


グサ!!

「ウィンド!!そんなに強く指すなよ!」

「これが普通だろ?」

「いや、ウィンド、今のは普通では無かったぞ。」

「ウィンド様、今、何を思って刺しました?」


と俺達が口論している中、ソイルは驚愕なものを見つけてしまう。


「これは、手紙?」

僕は中身を出し、読み始めた。


(次我々がそっちに行った時、赤い髪の大男を確実に殺せ、後の連中を殺せたら、褒美をくれてやろう。

読み終えたら燃しておくんだ。)


これは、手紙というより指令書?

しかも、この字に見覚えがある、僕は恐る恐る差出人の名前を見る。

そこには。


獣人王 ウィンド・B・エクセリア。。


「嘘だろ?」

僕は尻餅を付いてしまった。

そこで何も動じずにしていれば死ななかったのかもしれない。


僕がこの手紙を読んだことにウィンドは気がついてしまった。


一瞬、殺気を感じ、意識が無くなっていた。


「ウィンドォォ!!!!てめぇ何してやがる!!!」

ウィンドは仲間のソイルの首を切り飛ばした。


「全く、あのバカは燃やしておけと言っておいたのにな、まさかこの時期にバレてしまうとは。」


「どういうことだ!」

「この俺がぁ!獣人王、ウィンド・バロン・エクセリアというわけだよ!」

ウィンドは今までの態度とは一変して狂った様子だった。


「そんな、嘘だろ?ウィンド。」

レインは口を塞ぎ少し涙目でそう言った。


「そんな事、どうでもいいのよ、よくも、バーンを、兄様を!!!!」

ソティはぎりぎりの力を振り絞って叫ぶ。


「そんなに弱っていて何をするつもりなのかな?」


「殺してやるのよ、サンダーボルト!」

だが、魔力が足りず、少しの雷も出ない。


「この戦いで一番の功績だったが、、まだ子供だなぁ。」

「うる、さいのよ。」

ソティはそう言って、倒れてしまった。


「さーーーてぇ、どうするのかな?ヒカル。」



「なめんのも、いい加減にしろ。戦うに決まってるだろ!」

俺は剣を抜きウィンドに向ける


「私だって、戦うわ!」

由衣も俺の横に並び剣を向ける


「ほう、いい度胸だ、が俺はこの後の用があるのでね、帰らせてもらうよ。」

マルスが前に出た。


「行かせるわけないでしょう。」

俺が見た中でマルスは一番の殺気を出すが、剣を抜いていない。


「聖騎士でもない貴様が、この俺と対等に戦えるとでも?」

「ええ、私はどんな敵だろうがこの身が朽ちるまで闘うと決めていますので。」

「ほう、いい心がけだなぁ、だが、この速さには着いてこれまい。」


一瞬でマルスの全身に剣の傷が入る。

「サウザンド・ソード。」

「な、なんだと、、」

マルスはその場に倒れ込む。


「は、速い。」

俺も見えなかった、と言うより、ここにいる全員が見えなかったと思う。

「全く、あれだけの大口を叩くからこれくらいは捌けるかなって思ったのになぁ。」

そう言うとウィンドは 手を振って消えてしまった。


「にげんじゃねぇ!!クソ野郎!!!!」

俺は喉が張り裂けそうな大声で叫んだ。






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