二十話 チーム
・・・バーン遅いな。
「おーーい!」
どこからか嫌な声がする。
「おーーい!!!」
あ、あ〜来たよ。
「はー、はー、すまねぇ、遅れたぜ。」
「って、バーンお前、走ってきたのか!?」
バーンは汗だくで息が切れていていた。
「あ?当たり前だろ?俺は馬車なんか持ってねぇからな。」
なるほどな、これが身分の差というやつか。
ウィンドは王族、
レインは大貴族、
ソティ&ソイルは貴族
バーンは市民の下
これが身分の差だな。
「おい、何だよその目は。」
「いや、何でもないさ。」
おっと、少し哀れんだ目をしてしまったようだ。
「さぁ、皆揃ったところだ、行くぞ。」
ウィンドがそう言うと皆の目付きが変わった。
何というか、ウィンドが皆をまとめる所がかっこいいと思った。
「レイン、編成はあの通りでいいと思うか?」
「ああ、いいと思うぞ?第一、君が建てた作戦に狂いがあったのが無いからな。」
編成?
「レイン?どういう事?」
「ああ、基地内は二つのルートに分かれていて2チームに分ける作戦になっているんだよ。」
「その編成はどうなってるのかしら?」
ソティは嫌なフラグを立ててしまった。
「ああ、ではそろそろ発表としよう。」
「まず、1チーム目は、僕にバーン、ソイルに、ソティだ。」
「ぎゃぁぁぁぁぁあ!!!」
ソティは大声で悲鳴を上げた。
「うっせーなぁ、何かあったのか?」
「ぐぬぬぅ、お前のせいなのよ!!」
その通りだが、バーンのせいって言っちゃうのかよ。
「まぁその位にして、2チーム目はレインにヒカル、マルス、ユイで頼む。」
「レイン様、お供させていただきます。」
「ああ、マルスよろしす頼む。」
「由衣一緒だな、よろしく頼むぜ」
「うん、そうだね、よろしく。」
由衣は俺から目をそらし素っ気ない態度をとる、馬車に乗っている時からそうだが、俺は何かしたかな。
まぁでも、この4人ならずっと暮らしてきた仲だし、安心できるメンバーだと俺は思う。
「では、先に進もう。」
俺達はウィンドの後に続いて進む。
・・・・・・・・・・・・・
「ソティ?彼はいい人だぞ?」
「それは、兄様だから言えることなのよ。。」
「なんだぁ?ソティそんな顔をして」
「やっぱり、嫌なのよ。」
「なんだぁ?聞こえねぇーぞ?」
「何でも無いのよ。」
「レイン様、ヒカル様とユイ様は何故あの様な関係になっているのですか?」
「何、簡単なことだ、二人はお互いに恋心が着いたという事だろう、特にユイがな。」
「なるほど、そういう事でしたか、ですが、それは戦闘に厄介では?」
「いや、それは無いだろう、逆に言えば互いを守ろうと意識が働くはずだ。」
「なるほど、では安心ですかな?」
「ああ、大丈夫だろう。」
「そろそろ、奴らの拠点だ、皆、気を引き締めるんだ。」
「なぁ由衣?俺何かしたか?」
先を歩く由衣に聞く。
「別に何も。」
本当に素っ気ないな、何でこんな事に、、
「ヒカル?どうかしたのかい?」
「いや、何でもないさ。」
ウィンドは心配した表情で俺を見る。
「なんでも無くないだろう?何かあれば相談に乗るぞ。」
ウィンドに相談に乗ってもらっていいのだろうか。
「由衣が俺に対して、素っ気ないんだよ。」
「それは見ればわかるが、それがどうかしたのかい?」
「普通に、寂しいんだよ。」
「そのケースは、これからの闘いの準備とか色々あるだろう?」
「他だったら、恋とかあるだろがな。」
「由衣が、俺の事を好きなわけないよ。」
何故なら俺達は幼馴染みだから。
「君達が幼馴染みだから好きになってもらえないと言うとは君の課程の話だろう?」
「ああ、そうだな、でもよ、この関係はマズイと思わないか?」
「その内良くなるさ、この作戦が終わったら気持ちを伝えたらどうだ?」
「出来たら、言おうと思うよ。ありがとうな、ウィンド。」
「なに、礼には及ばないさ。」
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「さて、着いたぞ、ここが第2使団、拠点だ。」
目の前にはやはり、小さい洞窟があるだけ
だが、この中には殺さなきゃならない奴らがいる。