十八話 マジギレと出発。
・・・朝か。
いつもと変わらない朝を迎えた。
いつもと変わらない部屋で着替えて、髪も整える。
いつもと変わらなく、まだ寝ている由衣を起こしてあげる。
何も、いつもと変わらない。
だが、俺は、俺達は獣人最高クラスの第2使団の拠点へ向かう。
必ず大決戦になるだろう。
もちろん、死ねないし、あいつもしなせない。
いつもと変わらないこの場所に帰ってきたい。
俺は起きてすぐ、そんな事を思った。
「輝〜おはよ〜」
「ああ、おはよ。」
「今日だね〜」
由衣は伸びをしながらのんきな感じで言った。
「そうだな、」
「もう!輝の悪い癖だよ!そうやって、大事な時は堅くなっちゃうのは!」
由衣はビシッ!っと指を指して俺に言った。
「ああ、そうかもな、でも今日はいつもの感覚で行っちゃ駄目だろ?」
「いつもって、私達は奴らを切るだけでしょ?」
・・・お前は凄いよ。俺にはそんな考え出来ない。
でも、お前はそれでいい、俺が守るからな。
「ああ、そうだな!」
「うんうん!!」
「それじゃあ!ダイニング行こうぉ!!」
「ああ、わかった。」
由衣は何だか、バーンみたいにうるさい??
「ヒカル、ユイ、おはよう。」
「ああ、レインおはよ。」
「おはよう!!」
「君達、準備は出来てるかい?」
「もちろんです。」
「私も大丈夫です。」
「そうか、なら良かった。」
やはりレインも緊張をしているようだ。
「今日の朝食はエッグマリオネットでございます。」
マルスは朝食を運んできた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁー美味しかった」
「うん、美味しかった!」
「さて、マルスそろそろ行こう。」
「承知いたしました。」
マルスはいつもの執事服ではなく、騎士の服装だった。
「あれ?マルスも行くの?」
「はい、私は一応、剣闘ですので。」
剣闘は聖騎士と高等騎士の間の身分となっている。
めっちゃ頼もしいじゃん。
と俺は思った。
「ですが、私は魔法が使えませんので、雑魚を中心的に倒しますよ。」
「それだけでも凄く、頼もしいです。」
マルスは俺の耳元にきてこんな事を言った。
「ユイ様に気持ちは伝えたのですかな?」
・・・伝えるはずないだろ?
無理だ、絶対に。
あいつが俺のことを好きなわけがない。
「輝?どうしたの?」
「・・・うぁあ!!由衣か、びっくりしたぁ。。」
「何にびっくりしたの?」
「いや何でもないよ、ちょっと、考え事をしてただけ。」
あぶねぇよ、まじ不意をつかれた。
「何を考えてたの?」
・・・どうしよう、言い訳作んないと。
「敵の獣人はどんな感じなのかなってさ考えてたんだ。」
「ふーん、そうなんだ。」
なんで残念そうなんだ?
「じゃあ私馬車で待ってるね。」
「おう、じゃあ後で!」
さてと、部屋に戻って荷物持たないとな。
・・・・・・・・
よし、これでいい。
俺は剣を研ぎ終わり、外に出ようとする。
「ヒョード。」
氷の柱が高速で飛んできた!
あぶねぇ!
俺はすぐに剣を抜く。
「いい反応だ、しっかり集中は出来てるようだな。」
「レインか、なんの真似だ?」
「なに、君を試しただけさ、それより、2人とも外で待ちくたびれてるぞ。」
由衣と離れてから軽く20分は経っていた。
「ああ、やば、怒られちゃう。」
「さぁ、早く向かおう。」
俺とレインは走って外へ向かう。
「遅ーーーーーーいぃぃ!!!!」
由衣は大声をあげた。
「輝?私が、何分待ったと思ってるの?」
やばい、ガチギレだ。
「ぇ、えーと、5分くらい?」
「は?殺されたいの?」
こいつの殺すは洒落にならん。
本気で殺しに来そうだ。
「じゃあ、10分?」
「じゃあって、なに?ふざけてんの?」
「すみません、20分ですね、」
「そう、正確的には24分47秒だから25分に近いんだけどね。」
秒数まで測っていたのかよ。
「とにかく、私を待たせたのを謝罪しなさい。」
「す、すみません。」
「あ?きこえねぇーよ。」
こ、怖ぇ。
レインの方が好きになりそう。。
「す、すみませんでしたぁ!!!!!」
「うん、良いよ!」
マジで、こいつのテンションの変え方が怖すぎる。
「では出発致しますぞ。」
「距離は50kmだ、長い道のりになる、途中で飲食店に寄ると思うが、3日はかかると思ってくれ。」
3日かぁ。
長いなぁ。。
皆現地集合になってるからこのまま行くし、
はぁ、寝よう。
それにしても、由衣、怖かったぁ。
でも、由衣が好きな気持ちは変わんないけどね。