六.五話
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「輝おきて!」
「うん?由衣かな?」
起きると、お母さんが俺を起こしていた。
え?どういうこと? さっきまで、精霊の森に…
「何ぼさっとしてるんだい?学校に行かなくていいのかい?」
間違いなく、ここは俺の部屋だ。
勉強机に、ノートパソコン、部屋の隅には制服とテニスラケット。
いつも暮らしてきた部屋だ。
だが、有り得ない、俺は死んだのだから。
「輝〜!!」
由衣の声だ。家の外から前のように呼んでいる。
俺は窓を開け、
「おい!由衣!」
その後の言葉がでてこなかった。。。
あれ、俺何してたんだっけ?
あ、そうだ。学校に行くんだった。
俺は速攻で制服に着替えて外に出る。
外は清々しいいい天気だった。
「輝〜!お弁当忘れてるよー!」
とお母さんが持ってきてくれた。
すると、
「輝??」
とどこからか声がした。
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俺は目を開けた、そこは神々しい光を放つ精霊の森だ。
「あれ、ここは。」
俺は目を擦りながら由衣の顔をみる。
「何、寝ぼけてるの?弁当がなんとかって」
由衣は心配した表情で俺をみてきた。
「いや、ちょっと夢を見ててな」
「どんな夢?」
「いや言えないわ」
いったら多分由衣はまた落ち込んでしまう。
それは避けたいと心から思う。
「憶えてないの?」
「う〜ん憶えてないね。」
もちろん嘘だ。ほとんどの事を憶えている。
でも、何でこんなに覚えていられるのだろうってほど、鮮明に憶えている。
あ〜戻りたいかも、っておもった。
「さて、先に進も?」
由衣はもうテントを片付け出る準備万端だった。
「お、おうちょっとまってな。」
俺はテントと枕をポーチに詰め込む。
昨日からかなりこの森を歩いているのだが、目印になる物が少なく、至る所全てが光っているので、もしかしてループしてる?と言うことにもきずいて無いのかもしれない。
が俺達は先にすすむ。
「ねえ、あれそうじゃない?」
と由衣は発光石の穴を指で指す。
確かにそれっぽいが、光過ぎじゃないか?
でも、ここだと、逆にいいのかもしれない。
が、現に見つかっている。
「よし、じゃあ、戦闘準備だ。」
俺達は余計な物を隠し、剣だけ持って、穴の前に行く。
『誰が居ますか〜!!!!』
2人で穴に向かって叫んだ。