四点五話 出発!
まだ、日の出ていない時間に荷物を持ち外へ出る。
「あー、寒いな、」
「そうだねー」
俺達は今日、第5使団の拠点へ向かう。
「これが、おおよその場所を書いた地図だ。」
レインは地図を俺達にわたす。
「気を付けてな。」
敵と戦うのだから、集中をきらすなという事だろう。
一瞬、敵と戦うのに、何にを気をつけるのだろうと思ってしまった。朝だし、思考が回らない。
「ああ、生きて帰ってくるさ。」
「ヒカル様、敵を目の前にして、私が教えた3つの言葉を。」
「諦めない、逃げない、剣を置かない。この三つですよね」
マルスらしい言葉だ、でも、強い敵に対してこの言葉を思い出すだけでかなりの力をくれる。
「うん、それだけは忘れないでください。」
マルスは首を振り、俺の目をみて言う。
「ユイ、もしもの場合はヒカルにどうにかして貰うんだぞ?」
あれ、待って?なんか聞こえたんだけど。もしかして、ユイがあんな性格になったのって、こいつが元凶?
「う〜ん、まぁ本当にもしもの場合だけかな」
「最低、ヒカルだけ置いて逃げるのも手だからな。」と小声だが、また恐ろしい事が聞こえた気がする。
レインってもしかして、ドS??それともただ単に性格悪いの??
初めて知ったよ?
でも、由衣は俺が守る。ってのは変わらないけどな。
「ヒカル様これを、」
俺はマルスから、皮の手袋を渡された。
「これは私が昨日作った物です、この皮は火を防ぐ火竜の皮で出来ています、どうぞお持ちください。」
俺は手袋を付ける。
「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます!」
馬の前足を上げ、剣を天に捧げ俺らは屋敷の門を出る。
ヒカル様、敵を斬るだけではなく、ユイ様を守るということを忘れなきように。
ユイ、本当に危ない時はヒカルを盾にするんだぞ。
と2人して、真反対の事をおもっていたのだ。。