四話 協力戦。
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「ヒカル、私も交ぜてはくれないかな?」
「私もよろしければ、交ぜて頂きたい。」
屋敷から、マルスとレインがでてきた。
「2人が来たということは、2対2ですか?」
「そうですね、それで行きましょう。」
由衣との2人で戦ういい機会だ。
「では、魔法禁止で、負けた方は今日の晩食抜きという事で。」
マルスはニッコリと笑いながらいう。
俺達はまじか。。と毎回思ってしまう。
多分、由衣の性格が荒れたのもこれが原因でもあるだろう。
由衣を見ると、これ以上に無いほどに嫌な顔をしている。
例えるなら、馬糞を素手で掴むのを拒むくらい嫌な顔だ。
俺も正直、2対2は苦手だし、上手く攻撃が入るのも極わずかだ。
なんで、こんなに2人で戦っているのに、幼馴染のはずなのに、息が合わないのだろうか。
不思議でしょうがない。
「由衣、嫌がってちゃ勝てるもんもかてねぇーぞ」
「わかってる。今日は輝に合わせるね。」
初めて由衣が俺に合わせると言ったのだ。
絶対合わせないって言ってたのにな。
以外にこいつツンデレ??
俺は思わず小さく笑ってしまった。
「何笑ってるの?」
「いや、嬉しくてな。お前が合わせるとか言ったこと無いからさ。」
「今日だけだからね!」
はいはい、ツンデレ乙。俺は心の中でそう思った。
「さて、レイン様行きましょうか。」
「ああ、マルス、私にあわせるんだぞ?」
「はい、いつものように。」
この2人もかなり息があった剣術でくる。
この2人に対抗するには、、
「由衣、まずあの2人を引きはがすぞ。」
「まって!私どっちにも勝てない!」
「いや、お前はレインになら勝てる可能性はあるだろ?」
由衣は『1回だけ』レインに勝ったことがある。
レインは由衣に託す。
「俺もマルスに勝ってやるぜ。」
そう意気込むが。正直、剣術だけで、マルスには勝てない。闇魔法を使えば勝てる可能性はあるが。生身では勝てない。
「頑張ってね。」
それと同時に戦闘がはじまった。
「さぁ、さて、行きますぞ!」
マルスが突っ込んで来た。
いつもと同じテンポの剣戦。開始からマルスはかなりのスピードだ。
「くっ。」
俺はいつも以上に押されてしまう。由衣、ウィンド、そしてマルスだ。この三連戦はきつい。
バキィィン!
剣がぶつかり合い激しい金属音がなり、辺りの草が風圧で舞う。
「そういえば、ヒカル様、2対2で我々を引き剥がせばどうにかなると思いでしょうが、生憎ですが、レイン様がユイ様に負けた時、お腹を壊しておりました。」
とマルスはとんでもない事をいう。
え。何、じゃあ由衣は腹壊してるレインに勝ってあんなにイキってたの?
とんでもねぇな。。
それでも俺は由衣に賭けた。負けてもらっては今日のご飯が無くなってしまう。
勝てよ!結衣! 心の中で思うと。
「きゃ!!」
剣を弾かれ、由衣が地につく。勿論剣を突きつけられているので、由衣の負けだ。
おい、思ったそばで負けんなよ。。
「どうやら、ユイ様は負けたようですな。」
「俺が残ってる!俺だけでお前らに勝ってやるぜ!」
と言っても、勝てる要素がない。。
すぐに間をとり、由衣の剣を抜く。
「ほう、二刀流ですか。」
俺も二刀流なんかやった事がないが。どちらの手でも剣を振れるので出来るだろうという考えだが。
そんな事で出来たら。二刀流の剣士に申し訳ないなって思う。
剣の数では互角。だが。
「これで、終わりですな。」
「ああ、無駄な足掻きだったな。」
とレインとマルスは俺の首にクロスさせて剣を止める。
結果は惨敗だ。何故か由衣の剣はいきなり重くなり、使い物にならず、俺の剣だけになって、そのまま、あとの流れは、さっきの由衣と同様だ。
「くっそぉー、晩食抜きかー、」
「ええ、そうですが。レイン様?」
「その話なんだが、君達には、獣人第5使団の拠点で掃討作戦に当たってもらいたい。」
急な話だ。
またかよ。切実にそうおもう。他にも騎士いるだろうが!とか、他の聖騎士どうした!とか色々文句を垂れたい。。
今回は文句言ってやる!と思ったその時。
「わかりました!私達2人で行けばいいんですね!」
………は!?こいつ!裏ではあんなに「やだわー」とか言ってるのにここではこんなにいい子になるんじゃねぇ!!!!!!
と思うが、心の中で収めておこう。言ったら何が起きることか。。
「はぃ、わかりましたぁ。」
俺も了解した。。
「では、支度をしたほうがいいですね!」
由衣はそう言って、屋敷に戻った。
何か引っかかったが、後にして、俺も屋敷にもどった。
・・・・・・・・・・・・・
部屋に戻ると、由衣はいない。
あいつ風呂に行きやがったな。
多分だが、ご飯が食べれないので早く風呂に行き、戻って寝るつもりなのだろう。
なんて奴だ。と思い、
明日の支度をする。
「あ〜、いい湯だった。」
由衣が『風呂から』戻ってきた。
「お前何風呂に行ってんの?」
「怒るなって輝も行けばいいじゃん!」
そういう問題じゃないから!!
「お前が啖呵切って、あんな事を言うから、今度は第5使団に行くことになったじゃねぇーか!」
「それで?」
は??それで?こいつ完全に自分は悪くありません〜みたいな感じになってやがるよ。さっきツンデレで少し可愛いなって思った俺の感情をかえせ!!!と心の底からおもう。
「早く終わらせて帰ればいいでしょ?」
「そうだが。」
由衣の発言は正しい、そうだな。俺達は騎士、倒すべきものは誰が倒すってわけじゃないよな。
「悪かった由衣、俺の考えが良くなかったな。」
「うんうん!わかればいい」
え、なんでこいつに謝ってんだ?
こいつなんでこんなに偉そうなの??????
意味がわからなくなり、俺は風呂にはいって、
その後戻ると由衣も寝ていたので、
由衣に少し怒りつつも、ベットにはいる。