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◇旋律と蒼天のブライニクル◇  作者: 天弥 迅
第ニ章 ただそうしたかったから
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−【断片の空間】−



体温、脈拍、呼吸、魔力波長全て正常。被験体N000Fーー略名シエル。概ね順調な成長を辿っています。このままいけば2年前後で人間の思春期年齢を迎えるでしょう。1年後には対話し、魔法も使いこなせる予定。現時点では感情の起伏もなく、穏やかな状態を保っています。

被験体の特徴として少し甘えん坊な面があり、精神的には一見幼さを感じさせますが、経過を見る限りは欺いた反応を好む傾向。興味のあるものはどうやら玩具や変わった生物で、それが壊れた瞬間に脳波が緩やかに揺れます。恐らくは喜怒哀楽を表現しているのでしょうが、あまり褒められた動きではありません。

やがて外界へ出れば世界の流れを崩す可能性も考慮されます。対策としては例の組織を使って手綱を握らせるのが最良と考えられますが、あくまで【マザー】の未来演算に乗っとった予測でありますからどうなるかは確定出来ません。

ただし我々の産み出した次なるステップを担う革命の魔導師になるのは間違いないでしょう。膨大に漏れる良質な魔力、加えて独自に入手したあの神の遺伝子。シンクロ率も高水準のデータを見せていて正に神なる子ーー否、神であります。人間の手に負えるべき存在なのかは不明ですが、引き続き経過を見ます。

別件である英雄の調査については未だに消息は判らず。一番の懸念する彼に関しては仮に嗅ぎ付けられたらこの計画は全て破綻であるのでレベル3からレベル4に警戒を上げて調べていきます。消息を掴め次第直ぐに排除の命令はそのままに被験体レギオンには北へと向かわせます。

後は被験体シエルの事実上の親であるアレについては今はまだ放置で。

以上が報告内容です。

では後ほどーー。

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