−天才でも欺かれる③−
「貴方さえ取り戻せば万事解決ですわ」
絶対攻略は僅かな道筋を見い出していた。かつての師として指南を受け、目指す目標の一つを見て来た彼女は今こそ超える時だとまるで手合わせを願うように構える。その言葉に偽り無し、見据える双眸には決意の表れがある。
「正解だよシルビア・ルルーシア。君に僕から教えられる最後の課題だ」
「ったく、あたしだって大概滅茶苦茶してるけどあんたらはもっと滅茶苦茶だぜ」
剣聖は薄く笑いながら構え、無暴は真紅の髪を靡かせながら強く地を踏む。最高峰の魔導師を相手にする展開は最悪ではあるかもしれないが、彼等は周りの状況を加味した上でもこの状況は決して悪いものとは考えなかった。これを乗り越えた時点で得られる結果や見返りが大きいと判断しているからだ。それだけこの場の戦況が左右するものは計り知れない。
逆に負ければ大変な痛手になりかねないが、既に深刻なのは変わりないので選択肢も残されてはいないだろう。寧ろこの剣聖を抑えなければ他の仲間達の障害になるならば戦うしかない。
互いの意志表明がこうしてされた。
果たして仕掛けるのは剣聖か、絶対攻略か?
それともーー。
「前々からその涼しい顔に一発入れてやりたかったんだ!! 覚悟しなっ!」
爆発的な勢いで愚策にも程がある猪突猛進をへカテリーナ・フローリアは見せた。らしいと言えばらしい姿ではあるが、何方が敵なのか分からなくなる発言に加えてどう考えても戦略性が見えない正面からの動きにシルビアは頭を抱えたくなった。まるで試合の延長上みたいな立ち回りである。
しかしそれも束の間。
背筋が凍りそうな圧力が場を支配する。
「(ーーッ。この気迫ッ)」
自身に向けられたものじゃなくとも伝わる彼女の脅威的な圧力。これには決勝進出を決めた時のやり取りを思い出した。彼女を学友として友好的な関係でいたし格下とも思いはしなかったが、純粋な好敵手としての目線でも見てはいなかった。何故なら自分が後々意識する相手が誰なのかは中等部の時点で確信していたからだ。故に真紅の少女に対しては明確な対抗意識を持ったりすることはなかった。
これまでは。
原因は分かっている。彼女の飛躍とさえ言える心身の成長を促したのは間違いなくとある天才が関わっているのだ。フローリアが持っていなかった唯一の"理想の目標"を与えてしまった事により彼女の持つ潜在能力が加速して一気に解放されてしまった。恐らく神門 光華やアースグレイ・リアンも同じではあるが、より実戦的に開花したのはフローリアだろう。つまりただの優秀で変わっているだけの彼女もまた一握りの世界に手を掛けたのだ。
特にあの獲物の喉仏を噛みちぎらんばかりの獰猛な殺意は確実に一級品だ。確かに駆け引きは大事だが、実際には相手に予測をさせて上手く誘導するだけの牽制。つまり相手が高度な駆け引きを分かっていなければ、或いは無視されたらまるで意味を為さない技である。人を選ぶ手段なのだ。
しかし、あの殺意は駆け引きなんて次元じゃ収まらない。人が敏感になるのは恐怖だ。恐怖に足が竦むとあるように他者に明確に分かりやすく訴えかける攻撃そのものだ。素人だろうが、達人だろうが恐怖に負ければ対応が出来なくなる。仮に耐えられたとしてもその分神経を使い、精神が消耗するだろう。命の危機に瀕したままの状態で神経を擦り減らすなんて長くは持たない。
下手をすれば多少の実力差すら覆すくらいにその能力は高い。駆け引きだけでは勝負の補助にはなるが、決め手には少し弱い。それが大きな差。かと言って真似なんて中々出来やしない。動物でウサギを怖がる事がないように人によっては感じない不明確なものである。が、彼女はどうも肉食獣の類の感覚を抱かせる天性の才能を持っていた。対峙した側からすれば食うか食われるかみたいな気持ちになるだろうそれをまだ学生でありながら少女である彼女が扱うのだ。真似は出来ないし真似をしようとも思えないが戦闘面では抜群の優位性を持てる代物。
ただ、欠点はそれが通用しない相手と対峙した場合だ。これは先程挙げた問題とはまた違う話。
以前にカナリア・シェリーが発言したのはつまりそこにあると言う訳だ。
この殺意と言う見えない力が相手を大きく変えさせる。窮鼠猫を噛むはよくあるが、この場合は格上の相手に本領を発揮させて油断や驕りを無くす事だ。手を抜いたら殺されると理解するか同じ土俵に上がって来たと理解したら容赦ない反撃がされ、最悪一気に命まで取られるかもしれない。その殺意が紛い物じゃない以上、それだけの覚悟があるのだから仕方ないと言えばそれまでかもしれないが。要は誰にでも通用するけど誰にでも可能性を与える諸刃の刃なのだ。今後彼女がその才能をどう上手く扱えるかが、課題と言えよう。ある意味手懐ける必要がある訳だ。
因みにカナリア・シェリーが危惧した原因のもう一つは同種の者達だからと言う見解もあった。つまり互いが肉食獣なら単純に勝つのは強い方と言うその時点で地力の戦いが確約されたようなものだった。後日談でしかないが。
話は戻り、以上を踏まえて今回ばかりは相手が相手だ。どんな時でも普段通りを崩さない精神に加えて実力はもはや説明するまでもないエイデス機関の上位。そもそも彼に恐怖なんて概念があるかも怪しいくらいの相手には正直隙だらけの単純な攻撃にしか映らないだろう。
案の定ーー。
「ーーちっ!」
「君はきっと悪を抑える為には僕以上に適任かもしれないね。あまり褒められはしないけど時には必要な能力だよ。政治向きかな?」
抉るように突き出された手をいなされる。ただ、想定をしていたフローリアはそれ以上の隙を出さない為、反撃まで至らなかった。その判断すら誤りはなく寧ろご丁寧に称賛をするくらいに殺気をあてられたとは思えないくらいの余裕だ。殺気をもろともしていない。
その光景を眺めながら今度は栗毛の少女が難しい表情を浮かべる。
「(冷静に能力を測られていますわ。その図太い精神はやっぱりシェンリンと同じかそれ以上の怖さを知っている証拠)」
最上級の殺意が通用しない者とは、冷静に分析する連中だ。相手に敬意を表するくらいに余裕の表れがあるのが一番能力が無意味になる瞬間ですらある。
考えるだけでゾッとするが、今の無暴の圧より更に強くて恐怖する経験を乗り越えた証だ。一体どんな経験をしてどうやって打破したのか得体が知れない相手は対峙した側にとっては逆に恐怖する話である。
逆算した分析がどれだけ此方と向こうの実力差を表しているかが如実になってしまう。出だしから嫌な情報を知ってしまったが、こうなればシルビアはもう少し立ち回りの角度を上げるしかないと判断する。
そこまでフローリアも理解していれば良いのだが。
「ならこいつはどうだ?」
「………ほう」
臨機応変にカナリア・シェリーも苦しめられた天器を行使する。七星剣と言われたそれは抜群に彼女との相性が良い操作型の力だ。あれはかなりしつこい攻撃な上、捌き方を間違えれば今ならシルビアにとっても多大な好機をもたらす。一人の戦力が広がれば対応に追われてしまうのだから必然的に様々な攻略の糸口を模索される。
可能ならば彼女の技だけで抑えて他のやり方の洗脳解除も視野に入れたいがーー。
「変わった剣の使い方だね。君の特殊な能力を活かした新たな剣技とも言えるーーだけど」
「ーーッ!? 嘘だろ!?」
四方八方から飛び交う七星剣。本人の意思を反映させながら半自動的に自立した攻撃を行うそれは狙われる側にとっては苦しいものだ。そもそも簡単に捌ける量でもない。
ただし並の相手であればーー。
「剣は手にして振るうものだよ」
降り注ぐ剣の一つを掴み取り、そのまま自身の一部かのように流水の剣技を見せる。否、魅せただろう。
一撃目を奪い取り、二撃目を返し、そのまま残りの剣を跳ね返す乱舞。彼女が扱っている筈の剣達が彼の思うがままに操作されていた。いつしか矛先すら向かないままその場に留められてしまい、その全てを自身を中心に円で囲うよう地面に突き刺さってしまう所で幕を閉じた。
その光景は七星剣が自らの意志でガルムに服従してしまったと捉えられよう。最初から彼の持つ武器にしか見えない絵図だ。
馬鹿な、と一蹴する言葉すら口から出て来ない。華麗に一連の流れをまじまじと見せられてしまっては剣に関しての何たるかに意を唱えられはしない。彼女の七星剣は完全攻略された。
聖剣に限らず剣と名が付けばこうも愛され、祝福を受けてしまうのかと、もはや攻める手段としての一手が逆に利用されかねない始末である。
そう、あれが剣聖だーー。
自分達が相手にするのは自称なんて存在じゃない。
正に剣の頂点だ。
「ーーって簡単に引き下がれるかよッ!」
勿論、フローリアもそんな序の口の分かり切った展開で心が折れる訳もなく果敢に攻めの姿勢を崩さない。実際は少し不安定な時期もあったが、芯の強さはある。戦いにおいて必要な能力だ。負けを認めたらそこで終了だが、認めなければ負けではない。
そして彼女の引き出しであり、本領はここからだ。
「わりぃが手加減なんてする余裕はねえから覚悟しな!」
「ーー!」
二人の間合が手の届く範囲になる。真紅の少女だけが唯一使える自身と相手の魔力を干渉させて故意に暴発させて攻撃する特殊な技。極めて危険なやり方ではあるがそれを彼女ならではの才能が可能にさせる。
やり方も単純。互いの魔力が触れ合う距離にさえ居ればあとは彼女の意思で爆発させられる手軽で相手には脅威でしかない能力だ。更にはその破壊力が並の魔法を遥かに凌駕してしまう反則的な側面を持つ。魔力の質か、抱える量が上乗せされるからなのかまでは本人すら理解していないだろう。ただただ強いと言うだけの分かりやすい力を代償無しに扱える今の彼女ならば剣聖が相手だろうと可能性を見せてくれそうだ。
メキメキと圧縮された魔力を握り潰すように動く手がガルムの胴体目掛けて伸ばされる。そうはさせまいと彼女から奪い取った七星剣の一本で応対しようとする。
しかし元はフローリアが生み出したものだ。
当然解除すれば彼の手から武器は消失する。幾ら剣に愛されていようと剣そのものが無ければ意味がないのだから。
するりと滑り落ちた感覚を残しながらガルムはこれ以上にないくらいの大きな隙を作る。彼の失敗は真紅の少女の引き出しの数を見誤った事だろう。天才とは言え、まだまだ経験も少ない学生とどこかで油断していた部分があった筈だ。控えているシルビアの動きまで目を光らせながら相手するなんて余裕はもはやないのではないか?
何より前述にもあった彼女の異常な殺気。あれが駆け引きの目を曇らせていた。器用で意外性のある立ち回りの全てが対峙する側からすれば全てが本気で仕掛けて来ていると錯覚させている。
いや、実際フローリアからしたら必死ではあろう。だがここに来て素早い判断力による切り替えが刺さっていた。実戦派は伊達じゃないのをしっかりと体現して結果を見せてまさかの絶対攻略の助けさえ必要が無さそうである。
何という伸び代。何という才能。
機会を与えればこうも結果を出せる人種なんて中々見ない。
シルビアは胸が高鳴るのを感じながらその行末を眺めていた。
ーーしかし。
「カナリア・シェリーから話は聞いていたけど成る程。彼女が君を心配する理由が分かったよ」
「ーーなっ」
「若い芽を摘むなんて言葉がこんなに当てはまる人は中々いないよ。君はそんな意味では危うい存在だ」
外干渉による暴発の誘いは上手く機能しなかった。
詰まる所の一番効果的な対策に気付かれてしまったからだ。
「その力は魔力と魔力の干渉が引き起こし、君自身の一風変わった能力による矛盾した法則を正常にする為の現象だ。君が爆破させたよりかは君がそうしたら爆破したの結果が正しい。だけどそれは相手が条件を揃えた場合の話だ。普通は条件が揃う展開になるから容易く戦闘に応用出来るけど」
「ーーッ!?」
「僕の魔力を消したら干渉する余地はない。君の土俵で戦わないだけでその技は封殺が出来てしまうんだよ」
爆弾だって導火線に火が点かなければ爆発はしない。そして扱い方さえ間違え無ければ不発のまま処理さえ出来るそんな考え方。それを実行するかしないかは当人の精神次第ではあるが、この者にとっては危険な状態から一気に好機にひっくり返す事が出来るだろう。
現状二人は単なる魔法を介さない接近戦を強いられた状況だ。いきなりフローリアもここから魔法の行使に移れる程器用ではない。寧ろこのまま素手の戦闘をする方が更なる隙を作って追撃に魔法を使える可能性がある。
加えてシルビアは彼女の事をよく知っている。
真紅の少女は喧嘩も強いと。
「うらぁぁ!」
「ーーッ!!」
その綺麗な頬に拳を捩じ込む光景は普通なら考えられないが、それはともかく剣聖を相手に先制を拾えたのは快挙だ。心理的優位性はそのまま戦いの局面を大きく変える。平時ならば偉業を成し遂げたと称されるだろう。
宣言通り、涼しい顔に一発入れてやった彼女は邪悪な笑みを浮かべてそのまま押さえに掛かる勢いで追撃を図るがーー。
「対応力は素晴らしい。だけど迂闊な距離だよ」
「ーーうっ」
「剣や魔法が無ければ脅威がない保証が何処にあるんだい?」
伸び切った腕が掴まれる。殴られても全く怯まない彼の表情は涼しいままだ。それは最初から彼女の攻撃を受ける覚悟でいたからに他ならない。例え相手に攻撃を許したとしても最終的な勝敗さえ決せれば必要な工程とでも言うような雰囲気が漂う。
涼しい顔に一発は入れた。が、その代償はーー。
「木刀も剣豪が振えば名刀になる。私がするのはまた違うけどね」
何の芸もない空いた手が形作るそれは奇しくもフローリアには一振りの剣と見間違える程の気配を放っていた。神門 光華がやっていた木刀を振るい斬撃を生み出す技術の上位互換か或いは発展系であろう。殺気が偽物を本物に見せる手刀なんて優しい比喩で収まらない正真正銘の剣は確実に彼女の腕を両断しようとしていた。いや感じさせ、確信させたのだ。
全てが間に合わない状況の中、もはや腕を落とされる覚悟すら意識していた真紅の少女。
ーーが。
「させませんわ!」
「まあ、そうなるか」
振り下ろされる一瞬の間を絶対攻略の音速に肉薄する速さの蹴りが弾いた。流石に先行を取られてしまったら剣に近い手刀だろうと切れ味を発揮しないままに終わる。
予測をしていたガルムでさえ、攻撃に転じる際の僅かな隙間は彼女に意識を向ける事は叶わず、あの速度を割り込ませないようにするのは難しい相談だっただろう。逆にそんな狭く細い線を突いたシルビアの判断力こそ彼の思考を上回ったと言える。
弾かれ、大きく仰け反りそうになる彼を見てシルビアはフローリアの手を引いて距離を空ける事で一先ずはその場を凌いだ。
「ひやひやさせますわね。だから若いって言われるんですわ」
「いや、若いは別に悪口じゃねえだろ」
「何馬鹿な解釈をしてますの? この場合は未熟者。才能があるのに性格が才能を振り回し過ぎて全部中途半端に発揮してるのを理解してくださいませ」
「なっ!? テメェ、喧嘩売ってんのかーー」
「だから心配されるんです。引き際の線引きが無いんですから。今のが腕じゃなくて命だったらどうするんですか?」
「それ、はっ………」
返す言葉が浮かばない。実際全部が図星であり、後先まで考えていないその場限りの直感に従っている割合が大半を占めているから理詰めされたらこうなるのだ。
そこは若い内に失敗して成長するものなのだが、その代償が片腕じゃ釣り合う筈もない。寧ろ片腕以上の損失があった可能性の方が高いのを自覚したフローリアは浅い底だったと反省する。
もしシルビアが居なかったらと考えれば今頃どうなっていたか。
「わりぃ、助かったぜ」
「やってみなきゃわかんないは三流。やる前からわかるは二流ですわ」
「………じゃあ一流は何だよ?」
破れかぶれが酷く刺さる真紅の少女は自身が三流と言われているのは理解したが、その逆でありそうな最初から実力を推測って出した結論が更に間違いならば果たして一流に必要なのは何だ?
立て直す剣聖から目を離さない中で出たシルビアの解答は妙にしっくりくるものであった。
そう、いつも誰かさんが実行しているようなーー。
「やるしかないーーそれが一流の、天才が選ぶ道ですわ!」
「へっ、それは道理だな!! 一番性に合ってるぜ!!」
話は纏まる。仕切り直され今度は二人の共闘による剣聖との戦いが始まろうとしていた。
「ここからが本番だね」
空気が変わるのを感じる。依然優位性で比べるならオルヴェス・ガルムには軍配が上がるではあろうが、あくまで能力的な差に置けるものだ。加えて天と地程の開きがある訳でもない。
つまり彼女達の連係次第で命運が左右される。
問題はそこまでの連係を即席で可能なのかだがーー。
「(いや、すっかり懸念するのを忘れていた。相手にはーー)」
洗脳されている影響が鈍らせたのか、思い至るまでに時間を要した重要な問題。
何故シルビア・ルルーシアが絶対攻略と呼ばれる由縁になったのかを。
と、ハッと気付いた頃にはもう彼女の戦略は始まっていた。
「ボーっとしてんじゃねえよ!」
「ーーッ」
再び仕掛ける真紅の少女。先程と同じように猪突猛進をして来た筈なのだが、思考に捕らわれていたにしても反応が遅れてしまう。直撃こそはしなかったにしろ掠めた拳の切れ味が鋭く、目尻から出血をした。
負傷はともかく彼は驚く。ある程度慣れて来た状況で単純な攻撃をこうも簡単に受けてしまうものか? 否、意識を他所に向けていたのを差し引いても今のは明らかに剣聖が彼女の反応速度に遅れを取ったとしか答えが出ない。しかし、それがどうしてなのかが説明をするのが出来ないままに視界を広げながら退く。
そこへ鉄の棒が一直線に飛んで来た。
フローリアの拳とは比較にならない速度による致命の一撃。確実な殺傷能力を有する脅威に彼が選んだのは規格外の所業だった。
一閃。何も武器を持たない人物が飛来するそれを真っ二つにする光景は御伽話の中身がそのまま出て来たような伝記ぶりのものだ。どうして手で鉄が斬れる? 剣術に不可能はないのか?
もはや驚きに値するかも怪しいくらい当たり前に思えてしまう技術を見せながらこの間髪入れずに攻め手を作り上げた天才を賞賛しながら納得する。
全ては彼女の仕業かとーー。