先の見えない未来と扉
「なあ!この階段幾ら何でも長すぎだろ!?まだ着かねえのかよ?」
「あとちょっとー。」
「………」
翔に着いて行ってこの館の情報を聞き出す事に決めた俺は、現在あの真っ白な部屋から出て翔に案内されながらこれまた真っ白な階段を下りていた。
初めはすぐに下の階に着くだろうと思っていた俺は黙って翔に着いて行き階段を降り続けた。
だが、この階段を俺は少し舐めていた。
この階段は途轍もなく長いのだ。どれくらい長いのかと質問されて答えるとしたら俺が翔と階段を降り始めてからもう30分は経つぐらいには長い。いい加減、この長すぎる白い階段にうんざりしていた俺は何回も翔に質問しては「あとちょっとー」という会話を繰り返している。先程の会話をいれて多分5、6回ぐらいは会話を繰り返していただろう。
だが、どんなものにも終わりは来るもの。俺の目の前にはついに下の階の扉が見え始めていた。
「やっと着いたか……長すぎるだろこの階段。」
俺はここまで歩き続けて溜まってきた疲労とやっと目的地に着いたという安堵の混じった声で翔の後ろで呟く。
すると突然、翔は歩きながら今まで聞いたことのない声で俺に衝撃の一言を放つ。
「そんなこと言ってたらこれからの生活に耐えられないかもよ?もちろん君がここから脱出を考えてるならの話だけど。」
「えっ………?」
今こいつなんて言った?ここから脱出を考えてるならこれからの生活に耐えられなくなるって言ったか?
今まで翔の口からは聞いたことのない、何の感情も篭ってない冷たい声。突然かけられた意味の分からない言葉に俺は戸惑う……だが、その言葉の意味を聞き出したい俺は戸惑いながらも勇気を出して翔に質問する。
「おっ…おい!翔!!今の言葉どういう意m「着いたよ。」」
俺の言葉を遮りながら翔は元の明るい声で喋り、上の部屋でも見たやはりこの真っ白な空間には似合わない茶色の扉の前で立ち止まる。
俺は言葉を遮られ思わず黙り込む。翔は俺の顔をちらりと見た後再びあの冷たい声で一言だけ口にする。
「まとめて説明するって言ったでしょう、今は質問しないでね。」
俺は翔の無感情な声に気圧されながら無言で首を縦に振る。翔は俺の顔をじっと見つめるとニコッと満面の笑みを浮かべて扉の方に向き直る。
「じゃあ開けるね。」
その言葉と共に翔はドアノブをゆっくり回して扉を開け放った。