二話:過去の制裁
決断のときは唐突にやってきた。最低なクソッタレ野郎に少しでも好意をもってしまった、悲劇の女の子達。みんなが、僕の寮の前に集まっていた…。
好きになろうと、努力はした。
その時の僕は、自分をごまかそうと必死だったんだ。
〜右のほうにいる背の高いアミちゃんは、去年の12月23日、中学最後の二学期を終えるその日に告白してくれた。
左利きの天才肌で、成績はいつでも2〜3番目につけていた〜
〜少し後ろにいる、伏し目がちのあの子はまゆみちゃん。
彼女は病気がちな子だった。そのためか、クラスに馴染めず友達もそんなに多くはなかった。
めったにしゃべらないシャイな子で、告白するときは、死にそうなほど緊張していた。告白した後、逃げるように去っていった。あれは、この高校の合格発表された、3月4日だった〜
こうやって好きになろうとした…。でも…、
でも、それはただの自己満足だったのかもしれない。結局、誰が好きか、答えることは、できなかった。
日に日に大きくなっていく自己嫌悪をごまかしていただけだったに過ぎない。
何も解決しない、仕方ないと思っている自分が、腹立たしかった。いっそのこと、付き合ってしまえば良いのに。その方がスッキリするのに…。こんなときまで、自分の心配ばかりしていた。
なのに。なのに…、彼女達が言った一言は、慈悲に満ちていた。そして、自分の愚かさに気づき、僕がいかに偽善的かを、わからせてくれた……。