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つめたい手  作者: Across
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プロローグ:淡夢〜雪桜〜

別に、好きというわけでもなかった。

ただ告られた、いいよと言った、それだけ。

彼女は、微笑んだ。暖かいと思った。…愛しいと思った。


僕は走った。彼女を抱きしめるため?…わからない…。


僕は泣いていた…。悲しくて。

彼女は泣きだした。恋しくて…。

彼女の頭を、わずかに呼吸を続けるその鼻を、光を灯し続けるその瞳を、儚げなその唇を、とても弱くなった彼女を、抱きしめる。壊さないように、そっと。壊されないように、強く、限りなく優しく…。

見たくなかった、そんな彼女を。

彼女のつめたい手が僕の頬にあてられる。温かい雫が、彼女のつめたい手に流れる。

彼女の真っ白な手が、ゆっくりと、地に墜ちた…

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