14話 会議室にて
コメントください やる気が出ます
時間は少々 遡る、たかしがまだゲームに夢中だった時間帯。
会議室。
「その小野隆という人物で間違いないのだな」
特別顧問が口を開く。
「はい、間違いありません。おそらく“例の影”が言及していた人物かと」
現場の男が答える。
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「ならば話は早い」
特別顧問は即座に言う。
「法的保護の名目で確保する。従わないのであれば、強制的手段もやむを得ん」
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「……強硬手段は、現段階では得策ではありません」
外務省の男が静かに割って入る。
「既に海外も動きを見せています。ここでの対応次第で、介入の口実を与えかねない」
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「だが、一個人だぞ」
特別顧問が吐き捨てる。
「なぜ我々が下手に出る必要がある」
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「……現時点では」
情報分析官が淡々と続ける。
「対象の能力、意図、いずれも不明です」
「不用意な接触は、事態の悪化を招く可能性があります」
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「では聞こう」
特別顧問が目を細める。
「協力を拒まれた場合、どうする」
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「……現実的には」
防衛大臣が言葉を選ぶ。
「我々側に有効な対抗手段は存在しない可能性が高いかと」
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「何を言っている」
特別顧問が声を荒げる。
「たかが一個人だ。取り押さえれば済む話だろう」
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「やめなさい」
静かに、しかしはっきりと。
内閣官房長が口を開く。
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「……状況は理解した」
視線が一巡する。
「我々は、すでに主導権を握っていない可能性が高い」
「彼の意思一つで、状況はどうとでも転ぶ」
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「であれば」
一拍。
「まずは動向の把握」
「その上で、敵対しない形での接触を図る」
「現段階で取り得る最善は、それだ」
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沈黙。
誰も、即座には反論しなかった。
「失礼します」
扉が開く。
「報告です。対象が消失しました」
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一瞬、空気が止まる。
誰もが、わずかな驚きを隠せなかった。
中には、苛立ちを滲ませる者もいる。
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「……これが」
内閣官房長が、静かに呟く。
「頂上の存在の力か」
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