【人型魔物討伐訓練に使われたブル猫】 徴兵しても実際に人間や人型の魔物を攻撃できる兵の割合が2割を切る地域だった。 例え戦う力はあっても、人間に攻撃できない兵士は多い。
攻撃力:底辺
防御力:底辺
獲得:ブル猫肉、ブル猫のフン、???
倒しやすさ:最高
ブル猫は最弱の魔物。
初心者向け討伐対象。倒しやすくて倒した際の報酬もうまい。
魔物を倒す訓練としては最高。
妖怪ブル猫から受けた力によって、強さが上下する。
基本的に最弱。
~
ある地域で、戦闘者の育成が問題になっていた。
徴兵しても実際に人間や人型の魔物を攻撃できる兵の割合が2割を切る地域だった。
例え戦う力はあっても、人間に攻撃できない兵士は多い。
その地域は人型の魔物の出没、ヘルヘブン女戦闘員などの外敵にさらされていた。
人型の敵に攻撃できる人間が少ないという問題は、襲撃の際の反撃が機能しない事を意味した。
結果、多くの無辜の人命が失われた。
人間の敵、あるい人型の敵に攻撃できる戦闘者の育成が必須だった。
その地域において、戦える人間でも、人型の敵に攻撃できる人間は数割だった。
問題に悩まされた地域に、ある男があらわれた。
――男は政治家を名乗った。
政治家は訓練として、ブル猫の討伐を推奨した。
そして、ブル猫のハンティング報酬が高くなる環境作りを行った。
まるで魔物や害敵対策の予算に組み込むような形で、ブル猫肉の加工場や食肉業者に補助金のようなものを与えた。ブル猫肉の買い取りやブル猫料理の特産品による売り上げが出やすい環境作りを構築した。当然ブル猫肉の需要とハンターの報酬の向上につながった。
これによって、ブル猫の討伐をするモチベーションや旨みを向上させた。
結果、戦闘者、ハンターの志望者が増加した。
積極的なブル猫の戦闘、屠殺を通して戦闘を覚える初心者が増えた。
何事も大変なのは最初の一歩。最初の一歩を踏み出しやすく、ケガのリスクが少なく、報酬(肉)がある。
ブル猫は初心者が魔物を倒す事を覚える相手としては最高だった。
ブル猫は魔物を倒す人間の育成、初心者の討伐訓練として最適だった。
また、姿形は魔物の中でも人間に近かった。これはヘルヘブン女戦闘員に類する悪の組織の人間(IH含む)
への反撃能力向上にも繋がった。
戦闘を覚えた者達は、徐々に他の魔物に攻撃する事ができるようになった。
ブル猫を最弱の魔物として登録。魔物を倒すという特別な行為への、敷居を低くし、最初の一歩を踏み出す環境整備をすすめたのだ。
効果はあらわれた。
ルーキーが増えた。人型の魔物、人の敵と戦闘可能な人材が増えた。
戦える人間が増えた事で、人型の魔物やヘルヘブンなどの悪の組織による襲撃で失われる民間人、非戦闘員の命が前より減った。戦える人間、攻撃できる人間が増えたのだ。この事は地域の人間の心に生きる希望を与えた。
また、ブル猫肉や農場の活性化により、地域経済も潤った。
外敵によってボロボロだった地域に復活の芽がでてきた。
それは『政治』の結果だった。
街の人間が政治家に礼をしたいといった。
だが政治家は、礼ならもらったといって微笑み、去っていった。
これは政治家にとってブル猫を使った、人材育成の社会実験だったという説がある。
また、この男こそが実は●●●(検閲削除)の正体という説を唱える学者もいた(学者は行方不明になったため詳細は確認できず)
この真偽はさておき、これらの話しが広がった事もあり、ブル猫を最弱の魔物として認識している地域は多い。ブル猫は最弱のオイシイ魔物という者もまた多い。
※主に妖怪ブル猫系のブル猫。戦闘能力が全くないブル猫(御山ブル猫等)は別扱いになるケースがある。
※余談だが、これらの事業はブル猫肉の加工体制が整う一助となった
~ブル猫は害獣だ。だが討伐される事で社会に貢献できる。討伐されたブル猫はいいブル猫だ~
誰かが遺したこの言葉は時を経た今も使われている。