桜坂〜キミとの日々を忘れない〜
こんにちは!開いて下さりありがとうございます。
2-3分程度の短編ですが、是非読んで頂けたら嬉しいです!
「先輩〜!ちょっと待ってくださーい!!」
そう言いながら、私は通学路の下り坂を走る。
この春から高校3年生になる私。
今日は、春から大学へ進学する同じ部活の先輩の卒業式に参加していた。
2年前。
私は、始業式後の新入生歓迎会で「どんな部活に入ろうかなぁ」と思いながら、部活毎のステージを観ていた。
歓迎会の中盤。
演劇部の演目で、スポットライトに当たり、
皆が大注目する中で堂々と演じる先輩の姿に私は密かに憧れをもち、入部届を演劇部へと提出する決意を決める。
それからの日々はあっという間で楽しかった。
体力作りや発声練習などの基礎練習や、
台本を片手に演技の練習、お題に沿ったエチュードでチーム対決!などなど、指導をして貰いながら練習を重ねる日々。
部活帰りは部員全員で集団下校をしたり、
テーブルを囲んで談笑しながら、同じ学食メニューを食べたりもした。
そんな日々も今や懐かしく感じるが、
今日の先輩には制服の胸ポケットに小さな桜の花が付いている。
一緒にこの坂を下るのは今日で最後になるのか。と私は少し寂しくなり、坂を下りながら声をかける。
「先輩〜!ちょっと待ってくださーい!!
最後に、一緒に帰ってもいいですか??」
過去に演じた台本を鞄とリュックに沢山詰め、少し重そうに歩く先輩の背中を追いながら私は思う。
…ねぇ。先輩。
先輩のお陰で、私は本当に楽しい日々を過ごすことが出来ました。
春からは別々になってしまうのは寂しいけれど、先輩と過ごした日々は決して忘れません。ありがとう。そして大好きです。
2年前から変わらない、大きな背中を追うように、私も坂を駆け下りる。
暖かな青空の元で春風が吹くと、桜並木から薄桃色の花びらがひらひらと舞い落ちていった。
~完~
読んで下さり、ありがとうございました!
本当に学生時代の坂道がキツかったのが懐かしいです( ̄▽ ̄;)
坂道ってなんでこんなにエピソードが生まれたり、妄想が膨らむのでしょうか?
上から追いかけたり、下から追いかけたり…。
昨日とある坂を下っていたら、懐かしさと共に、
たまたまこの描写が浮かんだので、今回小説化させてもらいましたm(*_ _)m
先輩…いつかまたゆっくり会いたいなぁ。
卒業してからもお互い連絡は取ってるんですけどね。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!