恐怖の下校
千夏にとってはじめてのプール授業があった日はとても疲れていた。
そのため、千夏は帰りの会が終わったらすぐに下校して昼寝したいと考えていた。
校門を出てしばらく歩くと千夏は友達と別れ一人通学路を歩いていた。
すると、千夏は背後に何かの気配を感じた。
千夏は振り返った。
しかし、誰もいなかった。
千夏は気のせいかと思いまた歩き出した。
しばらくは気配を感じなかったので千夏は安心してしまった。
しばらく歩くとまた背後に気配を感じた。
千夏は恐る恐る振り返るとそこには太った中年の男がいた。
千夏は怖くなり声を出そうとした。
しかし、声を出す前に中年男によってハンカチで口をふさがれてしまった。
千夏は頭が真っ白になった。
しかし、千夏の前世は男であったため、こういう時は男の金的をければ痛みでしばらく動けなくなることを思い出した。
その為、千夏は勇気を振り絞って男の金的を蹴り上げた。
すると、中年男は痛みからか膝から崩れ落ちた。
その隙をついて千夏は全力疾走して逃げた。
千夏は近くにある祖父母の家に逃げ込んだ。
祖母に先ほどの中年男の事を伝え、警察に通報してもらった。
しばらくすると先ほどの恐怖からか千夏は目から涙がこぼれてしまった。
すると祖母は、
「大丈夫だよ。」
と、千夏を抱いた。
千夏は安心したからか寝てしまった。
千夏が起きると、祖父母の家の前に回転灯を回しているパトカーと制服を着た警察官がいた。
警察官に事の経緯を祖母が話してくれたようだった。
しかし、中年男は現場から逃げ去っていた。
このことは、PTAメールや安全メールで校区内に居る人に伝えられた。
しばらくすると、祖母は千夏を家まで車で送った。
翌日以降からしばらくは母が学校まで迎えに来てくれることとなった。
千夏は、もう中年男が目の前に現れないことを願うばかりであった。