綾女の家
ソフトボールの試合は3対0のまま9回表になった。
相手チームはどんどん代打を出してきた。
しかし、綾女のスタミナはすごく球威は落ちていなかった。
9回はなんと三者連続三振だった。
最後の打者を三振に取ると綾女の表情が一気に緩んだ。
綾女はキャッチャーと抱擁した。
試合が終わると、一旦綾女は自分の家へ帰り着替えることにした。
千夏は綾女の家に連れて行ってもらうことになった。
綾女は普段男勝りな性格をしているので男っぽい部屋なのだろうなと千夏は思っていた。
しかし、実際に玄関に入るとその予想が全く的外れであることに気づいた。
綾女が普段いる部屋には可愛いキャラクターのぬいぐるみがたくさん置いてあった。
千夏は普段の綾女とのギャップに驚いた。
さらに驚くことに、押し入れの中にはフィギュアを入れるショーケースがあり可愛い女の子のアニメキャラクターのフィギュアがたくさん飾ってあった。
千夏は、綾女に
「フィギュアはどこで買ってるの?」
と聞いた。
すると綾女は、
「大阪の日本橋のアニロード沿いにあるフィギュアショップで買っているぜ。」
と言った。
千夏はそれを聞いて明久だったころに数回行ったなあと思い出した。
千夏がじっくりフィギュアを眺めていると、
「もしよかったら今度の休み、日本橋に行くか?」
と綾女が聞いてきた。
千夏はすぐに首を縦に振った。
千夏はフィギュアを一通り見た後後ろを振り返ると綾女が着替えていた。
千夏は癖で一瞬手を顔の前に出して着替えを覗かないようにした。
そんな千夏を見て綾女は、
「女同士だから見たっていいぞ。」
と言った。
それを言われた千夏の中身は元サラリーマンの男なので非常に刺激が強すぎた。
容姿端麗で非の打ち所がない綾女の着替えは元男にとっては刺激が強かった。
しばらくすると綾女の着替えが終わったようだ。
綾女は大人の女性らしいロングスカートを着こなしており思わず千夏は、
「美しい」
と言ってしまった。
綾女は千夏のそのつぶやきが聞こえたようで、少し照れながら千夏の頭を撫でて
「ありがとうな。」
と言った。
そして間髪入れずに、
「今日は試合も勝ったし気分がいいからサークルの打ち上げ行こうか!」
と綾女は千夏を誘った。
すると、千夏は
「お母さんに聞いていい?」
と言った。
綾女は確かに聞かないとなという顔をしながら千夏の家へ電話を掛けた。
すると電話がつながり、綾女はOKのジェスチャーをした。
家からOKのサインが出たので二人はバスに乗って隣の茨木市にある焼肉屋へ行くのであった。




