誕生
明久が目を覚ますと、視界に見えたのはどこかの部屋の天井であった。
目を覚ましてすぐに隣で泣いている男の人の声が聞こえた。
その直後に白い服を見た人が、
「元気な女の子です。」
と言っているのが聞こえた。
そのことにより、明久は生まれ変わった人物が女であると理解した。
そして、先ほどの泣いていた男性はその人物の父親であると理解した。
しばらくすると、女性が部屋に入ってきて私を抱いた。
その女性は、生まれ変わった人物の母親であると理解するのに時間がかからなかった。
母親に抱かれた後、疲れたからかすぐに眠ってしまった。
目を覚ますと、赤ちゃん用のベッドの上に居た。
ベッドのすぐ近くには、名前が書かれたプレートがあった。
そのプレートには、秋元千夏という名前が書かれていた。
このことから、明久が生まれ変わった人物は秋元千夏という名前であると理解した。
明久改め千夏は兄弟はいないようだ。
その為、非常に両親からの溺愛を受けすくすくと育った。
千夏は、前世の記憶があるためどう生活をすればいいのかを常に考えていた。
しかし、性別が異なるため用の足し方などはわからなかった。
その為、用を足すときは他の赤ちゃん同様に泣くことにより母親か父親を呼んで世話をしてもらうという生活を送っていた。
月日は流れ、一歳と少し経った頃には他の赤ちゃん同様に二足歩行が出来るようになった。
二足歩行ができることにより、自分の家の部屋の間取りを知ることが出来た。
千夏が暮らす家は3LDKのマンションであった。
3部屋あるうちの2部屋は常に寝室や書斎として使われており、1部屋のみ何も使われずに物置として使われているようだ。
おそらくこの部屋は将来千夏が大きくなった際に千夏の部屋になるのだろうと思った。