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0.休暇

本編サブヒロインのその後

クローバーの月、地の国田舎村。


「わあ〜、改めて見てもやっぱり素敵な工房! 本当に私が勝手に使ってもいいのかな?」


「ええ、どうぞネリアさんのご自由にお使いください。わたしも染料や肥料の調合で時々使っていますし、きっと師匠も有効活用してもらえた方が嬉しいはずですから」


「ありがとう、ピアちゃん! お師匠さんの工房、大事に使わせてもらうね♪」


「はい♪ 必要なものがありましたら、お気軽におっしゃってくださいね。ネリアさんたちには村を救っていただいた恩がありますもの」


あの魔穴騒動から2度目の春、ネリアは丸1年ぶりにこの小さな村を訪れていた。

今回は魔脈管理士としてではなく、村人たちの友人として。

祖国での仕事がひと段落した合間、数週間の休暇を過ごしに来たのだ。


村にはかつての相棒セスが魔脈管理士として常駐しており、幼馴染でもある彼の家に泊めてもらうことも少しは考えたものの、可愛い同棲相手ステラの手前邪魔しようがない。

勿論無邪気な彼女なら喜んで歓迎してくれるだろうが、目の前でイチャつかれてはこちらが気疲れしてしまう。


そんなわけで一昨年の任期中と同じく、ネリアは親切な村娘ピアの世話になることにした。

辺境の農村内では比較的広い平家に、ピアの行方不明の師匠が使っていたという小さな工房があり、滞在中は好きに使っていいとの許可も貰えた。

掃除が行き届いた空間には、よく手入れされた調合道具が綺麗に並べられていて、古風な錬金釜や色とりどりの薬瓶は見た目にも面白い。

前回滞在時によく借りた書斎にも、様々な分野の学術書が集められていて、退屈することが無かった。


ピアの庭では多様な植物が育てられているし、村周辺の山や森でも植物や魔物から素材を採取できる。

そこでネリアは書斎にあった調合の本を真似て、工房の古い道具を用いてあれこれ実験してみることを思いついたのだった。

ちょっとした春休みの自由研究気分である。


滞在初週はハーフエルフと温泉宿の娘の結婚式があったので参加し、ついでに花見も楽しんだ。

また、ちょうど村から火の国へ移住しようとしている学者と錬金術師のカップルの相談にも乗り、その礼として魔毒蝶の鱗粉など調合に使えそうな素材も貰うことができた。

そして……


「さ〜てと……それじゃ、せっかくちょうどいい材料も手に入っちゃったし、アレでも作ってみっようっかな〜ぁ♪」


鼻歌交じりにネリアは調合を開始した。



本編最終話の数日後。

ハーフエルフと温泉宿の娘=ローレンとサクラ

学者と錬金術師=ソラとマリッサ


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