#81その先
なんでだ…?
なんで落ちてない…?
……
とりあえず…進むか…
…思い返せば、今まであった靄が今回は無かったな。
なんて思ってるうちに向こうに光が見えてきた。
「やあ~!こんにちは~!」
「…」
光の先にはダイダイックとピンキックの姿は無く、代わりに黒いウコイックと、白いウコイックがいた。
「僕の名前は~!シロイック~!」
元気な印象のシロイック。
「クロイック…」
それとは反対に、暗い印象のクロイックだ。
「ここでは~!みんなと~!面談していくよ~!」
面談か…シンプルなのがまた怖い。
「じゃあ~!1人ずつ順番に面談していくから~!列に並んで~!」
そう言うと、シロイックとクロイックは奥の部屋に入っていった。
部屋までの床に足跡が並んでいる、ここに並べってことだろう。
「おいぃ、なんでいるんだぁ」
砕が泣きながら抱きついてきた。
「いや、それが分かんないんだ、ピンキックもいないから説明聞けないし」
「もしかしたらよぉ、人のためにポイントをあげたやつは落ちるのを免除してくれるのかもなぁ」
「そうだったらいいんだけど」
そんな話をしているとジョーさんが真っ青な顔で近づいてきた。
「なあ…おい…京見たか?」
「見てないぞぉ?」
「京がいない」
「「え??」」
いないことは無いと思うけど…
「あ~っ、言い忘れてたわ~っ」
突然部屋に声が響き渡った。
「あなたたちの中で最下位で、落ちた人を発表するわね~っ」
…え?僕じゃないのか…?
「最下位は~っ、−3ポイントの京って子~、最後にポイント全部あげてた子じゃないわよ~っ」
京君?しかも-3って…
「ちょっとかっこよかったから話すとね~っ、テストで星の問題以外全部白紙だったの~っ」
白紙…さすがに分からなかったわけじゃないだろう。
元からその気だったんだ、きっと。
「それじゃあね~っ」
「聞いたか…?」
ジョーさんは震えた声で言った。
「正直な…怪しかったんだよ…稗田っちに電話かけれなかったり、最後あんなに急いでたりな」
「京君が自分を犠牲にするなんて…」
「稗田っちもやってたじゃねえかぁ」
「まあ…たしかに…」
「ちなみになんでポイント全部あげたんだぁ?」
「今まで楽しい思い出だった、それはきっと他の人も同じだって思った、だから僕が落ちれば、みんなが良い思い出で終わると思って」
「いやぁ、それは俺たちは良い思い出にならねぇだろぉ」
「京も同じ気持ちだったのかもな…」
「そうだなぁ」
「そういえば、マイナスってことはもしかして窓から覗いたのは京君…?」
「きっとそうだろうな…」
「あの~!そこの3人~!並んで~!」
突然シロイックの声が聞こえた。
「あぁ、列に並ばないとだぜぇ」
「…ああ」
僕たちは話を中断し、列に並んだ。