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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第6章
81/86

#80脱出

「どうする?」

まず僕はみんなを集めた。

「どうするって言ってもなぁ」

「あの、もう出ちゃっていいんじゃないー?」

その時、ジョーさんが思いついたように言った。

「おい待て、これ、()()だったらどうなるんだ?」

ここでポイントを調節できるってことは、もしかすると…?

「あ~っ、同率だったらどっちも落ちるわよ~っ」

「ダメかぁ」

「だから、もう行こうってー、みんな出ちゃってるし」

いつの間にか僕らが話してる間にほとんどの人が出ていった。

「んー、もう出るかぁ」

「先行っちゃうよー?」

京君と砕はゲートに向かった。

「じゃあ僕らも…」

前を向こうとした時、日向ちゃんが見えた。

「…!」

目が合った瞬間に日向ちゃんは目を逸らした。

「ん、どうした稗田っち」

「ちょっと先行ってて」

「いや、どうしたんだって」

「大丈夫」

「…絶対こっちに来いよ」

ジョーさんは()()してくれたようだ。


僕が日向ちゃんに近づいてる間、僕と日向ちゃん()()がゲートを出た。

「あの、本当に大丈夫だから…」

思えば日向ちゃんはここに来てから1人だった。

1人になりたかったのかもしれないが、それを助けてあげれなかったのは僕の方だ。

「ねえ、ピンキック、どうやってポイントあげれるの」

「あ、全員出ると思って言ってなかった~アプリ送ってあるからそれ開け~」

僕はスマホを開いた。

「あの、私行くから…」

「待って」

僕は片手で日向ちゃんの腕を掴んだ。

「それで?」

「ポイントをあげるってとこ押してあげるポイントを入力しろ~最大で()()だ~」

僕は、全部を選択した。

「決定したらスマホを相手のスマホと重ねろ~」

「日向ちゃん、スマホはどこ?」

僕は何も考えないようにしながら聞いた。

「教えないよ…」

「ピンキック、日向ちゃんのスマホを出して」

「無理やり~…まあいいけど~」

「…」

日向ちゃんもやっと抵抗を辞めてくれた。

「はい~」

僕は日向ちゃんのポケットから出したスマホに重ねた。

…僕のポイントは0になった。

僕はすぐ、ゲートに向かって走った。

そして通った。

「あと1人だからポイントの変動は無いね~、さあ早く出て~」

日向ちゃんはダイダイックに抱えられ、こっちに来た。


「なぁ、稗田っちぃ…おいぃ…」

「…」

「…」

砕は目元を抑えていた。

ジョーさんと京君は顔を合わせてくれない。

「さあ~、この先は真っ暗だけど大丈夫だよ~」

「進んでるうちに最下位の人は落ちてるから~っ、気にせずに進んでね~っ」

遊園地の明かりもだんだん消え、辺りは本当に暗闇だ。


怖い。

怖いな。

でもこれでいいんだろう。

楽しかった。

そうだ、楽しかった。

楽しかった…

「…うっ…」

…僕は泣いてるんだろう。

悔いは無い、そう信じるしかない。

「稗田っちぃ…」

僕の肩に大きい手が乗っかった。

「離れて」

「それは無理だなぁ…」

「…ありがとう…」

「…」

「それじゃ…」

僕は砕から離れた。


パカッ……













あれ…?

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