#72安心
僕はダイダイックと別れ、お化け屋敷に向かった。
そこには既に3人が揃っていた。
「本当に助かった、みんなありがとう」
「話し声が聞こえてきて、急いで京と2人で先回りしたんだ」
「ファインプレーだったねー」
「えぇ?何があったんだぁ?」
砕は不思議そうに首を傾げていた。
「砕は知らなかったの?」
「なんか気づいたらみんないなくなっててよぉ、それでまた気づいたら懐中電灯は持ってるしよぉ」
「すまなかったな、伝える時間が無くてな」
「んー、まあとりあえず入ろうぜぇ」
「たしかここだったよな」
砕は懐中電灯で辺りを照らしながら進んでいった。
「お、あったな」
「これ読み取れるかぁ?」
「試してみる、ちょっと待ってろ」
ジョーさんはスマホを取り出し、QRコードを読み取った。
「できたぞみんな、読み取るぞ」
僕達はミッションをクリアした。
「そういえば、さっきダイダイックが家にいた時に、「もうここから減点さえなければ落ちることは無い」って言ってたんだ」
「ダイダイックはすぐ口を滑らすやつだからきっと間違いないな」
「とりあえず安心ってことだなぁ、良かったぜぇ」
「ほんと、そうだね…」
「ここから何をしよ…あれ?」
横を見ると、京君は泣き出していた。
「どうした?」
「いや、ちょっと、なんでもない…」
「安心して涙出てきたのかぁ?」
「そんな感じ…」
「元気出せよぉ、まだ減点されるかもしれねぇからなぁ」
「それじゃ元気出ないよ」
「ははは…」
それから僕と砕はミッションが終わるまで遊ぶことにした。
京君はジョーさんにお願いして2人で噴水へ。
きっと噴水でも見て落ち着きたいんだろう。
「暇だし観覧車でも乗るかぁ」
「そうだね」
「…あれぇ?なあ稗田っちぃ」
「どうしたの?」
砕が指さした先にはQRコードがあった。
「え、QRコード?前乗った時には無かったのに」
「多分だけどよぉ、QRコードがあるのはここだけなんじゃないかぁ?」
「そうか、1つにだけあるならすぐに見つからないし、隠し場所としてはありえる」
「これどうするよぉ、なんか損した気分になるなぁ」
損した気分になるのはなんとなく分かる。
「もう僕達は1つ見つけたし関係ないから、とりあえず終わりまで暇つぶししよう」
「うーん、まあそうだなぁ」
「ふぅ、なんか同じ乗り物でも飽きないもんだなぁ」
「お、そろそろミッションの終わる時間だ、京君達と合流しようかな」
「そうだなぁ、俺はジョーに電話かけるから、稗田っちは京に電話かけてくれぇ」
「分かった」
僕は京君に電話をかけた。
「…あれ?繋がらない」
「えぇ、なんでだぁ?お、もしもし」
砕はジョーさんと話し始めた。
「分かった、頼むぜぇ」
「どうしたの」
「いや、なんか分かんねぇけどよぉ、京は家に帰ったらしくて、ジョーから電話かけてくれるらしいぜぇ」
「分かった、でもなんで繋がらなかったんだろう」
「うーん、まあとりあえず噴水のとこに集合らしいぜぇ」
「よし、じゃあ向かおう」