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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第5章
60/86

#59理由

中は広く綺麗で…なんて物色してる暇はない。

「ありがとう、これでミッションが…」

「ミッションはもうクリアしてるんでしょ?」

「えっ…」

「何人かで集まって歩いてたのを見たから」

「じゃあ…なんで家に入れてくれたの?」

「私も避けてばっかだったからね」

ぎこちない会話が続くが、ここはいっその事聞くしかない。

「あの、なんで僕達を避けてたの?」

「話すね…さっきの場所で起きた時はね、嫌な記憶と、ちょっと嬉しい記憶が戻ったの」

日向ちゃんは少し笑顔になり、話を続けた。

「嫌な記憶はまあ…色々あるけど、嬉しい記憶はお姉ちゃんのこと、毎回()()()()から目が覚める時に、お姉ちゃんのことをだんだん思い出してた」

「でも、お姉ちゃんはもういないから…どうすればいいか分からなくなって、おかしくなっちゃって、2人からも逃げちゃったんだ」

日向ちゃんの表情が暗くなっていく。

「それでね、家に入った瞬間に全部思い出したんだ、家で起きたこと全部、お姉ちゃんの優しさもね…」

日向ちゃんの目からだんだん涙が溢れてきた。

「家に入る前と後で避けた理由は違うけど、お姉ちゃんの優しさを思い出したら…これ以上2人に迷惑かけたくなかった…2人に申し訳なくなっちゃって……」


日向ちゃんの言葉を聞いて、咄嗟に口から言葉が溢れた。

「もしそれを()()()で言ってくれてるなら、それは必要ないよ、()()()()()()()()()()()()()()って思ったら遠慮もしなくなる」

自分でも一瞬分からなかったが、これはお母さんが僕に言ってくれた言葉だった。

ずっと遠慮しがちだった僕にお母さんが言ってくれた、僕のお気に入りの言葉だ。


日向ちゃんを見ると驚いた様子だった。

砕もポカーンとした顔でこっちを見ているし、なんだか恥ずかしくもなってきた。

「じゃ、じゃあ行くね、またね!」

僕は逃げるようにして家を出た。

砕も一緒に出てくると思ったが出てこない。

「聞こえますか~、集合で~す」

放送が流れた。

僕はもう1回家に入ることは恥ずかしくてできず、砕を待っていた。


「ごめんなぁ、ちょっと話し込んじまったぜぇ、ちなみに日向ちゃんは家にいたいみたいだぁ」

砕が出てきた、放送が流れたことを伝えると僕と砕は急いで向かった。

「みんな集まった~っ?」

「これから、()()()()()()()()()()を伝える~」

ミッションを伝えるために集めるのは初めてだ、前まで携帯に直にミッションが届いたから。

「そろそろ夕日も沈んできたからね~っ」

いや、全然明るいけど…

と思っていたら急に空が変わった。

まあ薄々気づいていたが、映像のようだ。

「これから30分後に()()()を行う~、場所はチャレンジゾーンだ~、それまでは自由時間~」

「ちなみにテストの内容は言わないが、少しだけヒント、最初から今まで起きたことを振り返ってみればいいかもな~」

そう言うと、ピンキックとダイダイックは本部に戻っていった。


僕もとりあえず離れようとした時 「ごめ~ん、もう1回集まって~」と放送が流れた。

放送が終わると、ピンキックとダイダイックは本部から空を飛んで広場に着地した。

空を飛んで来てるのか…

「まだ集まってない〜っ?」

すぐ呼び出されたのに離れた人もいるんだな。

「まあ、いない人には後で伝えておいて〜、今あなたたちのスマホに新しい()()を追加した、()()だ」

ピンキックが喋り終わった瞬間に携帯が鳴った。

開くとミッションアプリの横に電話のマークがあった。

「今アプリがいったと思うけど、そこには今まで家に入ったことのある人の名前が書かれてある、名前がある人にはいつでも電話がかけられるし、まだ家に行ったことないでも家に入れば連絡先は増えていく〜」

「説明はこんな感じよ〜っ」

「じゃあ次こそ、またね〜」

ピンキックとダイダイックはまた本部へ戻っていった。

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