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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第5章
58/86

#57合流2

秀ってなんだ?

そう思っていたらジョーさんはこっちに向かって歩いてきた。

ジョーさんは何か言いたげな表情でをゆっくりと近づいている。


「なあ、も、もう1回言うぞ」

ジョーさんは門を開け、砕の正面に立って肩に両手を置いた。

「秀、俺のこと覚えてるか?」

「覚えてるって言われてもそりゃ覚えてるぜぇ、ジョーだろぉ?」

「違う、お前はずっと俺のことを(よし)って呼んでただろ…」

「いや、何言ってるんだぁ?」

「思い出してないのか…くそっ」

理解できない会話が続く。


「俺とお前は()()()()()だったんだよ、名前も体型も似てて何かと作業一緒になってよ、仲良かったじゃねえか、忘れたのか?」

「いやぁ、分かんねぇ」

「見ろよ家、みんなで寝てた寮だ、これでも思い出さないか?」

「うーん、俺と一緒だなぁ」

「やっぱりか…ちょっと2人、聞いてくれ」

ジョーさんは僕と京君を引き寄せ、耳元で話し始めた。


「ここに来た時思い出したんだ、秀のことを」

「秀って砕のこと?」

「ああそうだ、砕秀信(くだきひでのぶ)北条吉信(ほうじょうよしのぶ)、名前が偶然似てて、名前から()を取って呼びあってたんだ」

「たしか職場では()()()()()ってよく言われてた、よく2人で組まされるからな」

「もう何も言わなくても()()()()()()()物を運べるぐらい以心伝心してたんだ、恥ずかしい話だけどな」

「細かい所まで思い出してるんですね」

「なんでだろうな、ここに来た時、あと家に入った時に一気に思い出したんだ」

「なぁ、何話してるんだぁ?」

「秀に説明するのは恥ずかしいから2人に昔話してたんだ」

「うーん…もうなんかよくわかんねぇ」

ピコンッ

突然通知が届いた。


内容は次のミッションだった。

「制限時間1時間、自分以外の1人の家に入れ、入れなければポイントは無し」と「☆制限時間1時間、自分以外の5()()の家に入れ、入れなければ落ちる」と表示された。

「無理やり入ったのを確認したら即落とされるから気をつけてね~」と注意事項もあった。


「今ここにいる人だけで4人はいけるねー」

「あと1人どうするかだな」

「あ、ツージーの家どうだぁ?」

「たしかにツージーさんなら入れてくれるかもしれないね」

「家知ってる人いるか?」

「「「…」」」

まあ知ってるはずもない。

僕たちは最初の20分でみんなの家に行って、残りの40分で誰か探すことにした。

「行くぞ、せーので押すぞ」

「「「せーのっ」」」

画面が切り替わり、5つバツマークが表示された。

不安ではあるけど、ここでポイントを取っておかないと。


「まずここが俺の家だ、まあ秀と一緒だけどな」

まず目の前のジョーさんの家にお邪魔した。

「軽く見てったらどうだ、軽くな」

中はベッドが4つ置いてあるだけのシンプルな部屋だ。

「全く同じ家だぁ、でも俺の家に置いてなかったもんがあるなぁ」

「前のミッションがあったからな」

「そうかぁ!」

「2人とも行くよー」

京君は砕とジョーさんの服を引っ張り、外に出た。

家を出ると携帯が震えた。

携帯を見ると画面のバツが1つマルに変わっていた。


「次は僕んち、まああんまり見られたくないからすぐ出て」

次は京君の家、玄関に入った。

「はい、出て出て」

中を見ることなく京君は僕達をすぐ家の外に出した。

次もまた1つ、バツがマルに変わっている。


次は僕の家に入った。

何故か嬉しい気分になった、友達を家に上げて今から遊ぶような気分だ。

「あれ、椅子2つ?」

「親父は…まあ別居みたいな感じ…」

「あっ…」

なんとなく空気が重くなったのを感じた。

「気にしないで、よ、よし、次行こう!」

「ああ、すまなかった」

「大丈夫大丈夫」

なんとか次の家へ。


砕の家はやっぱりジョーさんと同じだ。

中も同じだが、さっき言ってた通り、ちょっと置いてるものが違っていたりする。

「思い出してくれないか…」

「なんかごめんなぁ、分からねぇ」

ジョーさんはずっと切ない表情だ。

ひとまず予定通り20分ぐらいで4人の家を回った。

次はツージーさん探しだ。

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