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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第4章
37/86

#36 4階

このまま見落としが無ければ、絶対に4階にいる。

でもずっと不安に残っているのが()()()()だ、制限時間が切れたらその瞬間に封鎖だ。もし僕が砕を見つけれても、1階から3階までを探してた時点で、制限時間が残り少なくなってるかもしれない。

砕を見つけれても、そこで封鎖は全然ありえる。

絶対に砕を連れて学校を出るぞ。


僕は4階へ上がり、まず教室から見ていった。

1階から3階までと構造は変わらないが、ロッカーとかカーテンの中とか、隠れれそうなところはいくつもある。

…あれ、カーテンが膨らんでる、しかも明らかに大きい、この感じ…砕か?

僕はカーテンへ近づき、バッと開いた、そこには…


「おお、稗田っちか、ここに隠れてるの京には言わないでくれよ」

ジョーさんがいた。

シルエットが砕とそっくりだったから、絶対そうだと思ったのに…

「あ、京だ、くっそ見つかっちまった」

ジョーさんがそう言うと、後ろから足音が聞こえた。

京君だ、すごい涙目の。

「おい京どうした、もしかして見つからなくて怖かったのか?大丈夫だよ、これ遊びなんだろ?」

そうだ、隠れる側はそう思ってるんだった。

「おい、どうして黙ってるんだ?」

僕と京君はミドリックのルールによって口封じされている。

「ん、なんだよ急に引っぱって」

京君はジョーさんを引っぱり、教室を出ていった。


僕はふと学校の外を見た、もう数人が集まってきていた、何人か相方を見つけたらしい。

安心と焦りが同時に押し寄せてきた。

人の安全もそうだけど、僕と砕の心配もしないと。


教室を出て、廊下を歩いていると階段から相方を連れて降りてきた人がいた。

途中で何人かすれ違ったことがあったけど、大体みんなグッドサインでお互いを応援し合っていた。

でもこの人はグッドサインではあるけど、上下にすっごい勢いで振っている。

とにかく頑張れ!ってことだろう、僕もグッドサインをした、まあその人は相方見つけてるんだけどね。


4階の教室を全部見終わり、怪しいと思っていた図書室へ。

図書室へ入ると、1回ミドリック達と見た時より本棚の配置がちょっと変わっている、1つの部屋の隅を隠すように。

僕は真っ先にそこへ向かい、本の隙間から中を覗いた。

「きゃぁ!!あ、稗田君じゃない」

響子さんがいた、あと僕は知らない女の人が2人いる。

「初めてここに人が来たわね、でも貴方の探してる人はここじゃないわ」

響子さんは僕に向かって小さく喋った。

「でも、私たちを隠してくれたのはあなたの探してる人よ、探すの頑張ってね、ってことで早く行って!他の人にバレちゃうから!」

僕は急いでその場を離れ、図書室の中を探した、砕はいなかった。


次は校長室を探索する、でも校長室は狭く、細かく探しても隠れれるようなスペースは無い。

そのまま校長室を出て、次は放送室。

放送室は機材が沢山あり、隠れるにはちょうどいい、でも、砕が隠れれるような大きさの機材は無い、とりあえず部屋の外へ出よう。


探せる場所は全部探した…なのに居ない。

しかも砕は体が大きいから絶対隠れれる場所は少ないはず。

一体どこに隠れてるんだ、砕。

「ジジジ……え~っと~、聞こえるかな~?ミドリックだよ~」

校内放送が流れた、僕達に偽物のルールを説明していたときの喋り方だ。

本当のルールを喋った時とは違う、化けの皮を被ったミドリック。

「隠れる側のみんなにわ~()()()()()()んだけど~制限時間っていうのがあったんだよね~」

言い忘れてた、か…()()()()()()、なのに。

「その制限時間なんだけど、あと10分で終わるよ~だから、隠れる側わ、あとちょっと!頑張ってね~」

嘘だろ、まずいまずいまずい、あと10分?やばい、焦るな、僕、落ち着け。

砕を置いて逃げるか?いや、そんなことは出来ない。

どこか探してない場所…探してない場所は……

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