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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第3章
36/86

#35ルール

ミドリックはさっきまでと違い、適当な口調で喋り始めた。

「でね~?あいつらは本気で隠れに行ったけど、本当はルールは違うわけ~」

ルールが違う、()を付いた訳か。

「探す時には時間制限があるんだわ~、でな~?制限時間を過ぎると、学校は閉鎖される~要するに、()()()()()()()()って訳なんだわ~」

本気で隠れろって言ったのは、なるべく不利にするためか、なんて卑怯な…

「制限時間が切れた瞬間、窓とか扉とか、全部がロックぅ~もちろんお前らも学校の中にいたらロックぅ~」

僕らも閉じ込められるのか。

あと最悪なパターンとして考えられるのが、相方を()()()()()()パターン、1番心にくるし、きついだろう。

「で、お前たちには特殊ルールがあるんだわ~、それはな~?学校内に入ったら声出すの禁止~あと、他の人に隠れる側のいる場所を教えるのも禁止~自分のペアは自分で探してもらうよ~」

例えば僕が砕を探してる時に、別の隠れる側の人を見つけても、その人の相方に教えることが出来ない、しかもこれで見つからずに閉じ込められたら辛すぎる…急にきつい内容になってきたな…

「こんな感じなんだわ~、あ、ちなみに嘘は付いてないことが一つだけあるんだわ~」

嘘を付いてない?

「それは、落とさないってところなんだわ~死ぬまで閉じ込めるってことだからね~」

ほぼ同じことだ、なんならこっちは閉じ込めるって知らないで隠れてる人達がいる、こっちの方が悪質だ。

「じゃあ~そろそろ始めるんだわ~」


「もうウコイックには校内放送で、見つかっても他の人の居場所を言わないように伝えたから~、あとはスタートするだけなんだわ~」

ウコイックもこの事に加担してると考えると、なんだかガッカリした、元から優しいと思っていたこと自体おかしかったんだろう。

「じゃ、隠れる側の準備がいいっぽいから~スタートするわ~、俺がせーのって言ったら、「もういいかい~」で頼むわ~で、そっからスタート~」

絶対に砕を見つける…いや、救うぞ。


「「もういいかい~!!」」

僕達がこう叫ぶと、スタートを知らせる効果音が鳴った。

「じゃ、頑張ってな~」

ミドリックはだるそうに手を振った。

正直1階から虱潰し(しらみつぶし)に探していけば必ず見つかるはずなんだ。

…ていうか、制限時間が何分かとか、教えられてないんだけど……

僕は急いで校庭に向かったが、ミドリックの姿は無かった、わざとなのか伝え忘れなのか、多分わざとだろうけど。


うーん、いないなぁ。

1階には僕が隠れやすそうだと思った体育倉庫があったが、そこにはいなかった。

別の部屋も隅から隅まで探したが、まあいなかった。

砕は体が大きいから、部屋に居たらすぐ分かりそうだし、多分1階にはもういないだろう。


2階にもいない、2階は僕が目をつけていた職員室があったけど、そこにもいなかった。

保健室を調べている時、別の人の相方を見つけた、その人は僕を見た瞬間ビクッとしてたが、僕と確認した後に、「うおお、なんだあいつじゃないのかぁ」なんて言葉を漏らしていた。

早く見つかることを願うことしか出来ないのがほんとに辛い、何も声をかけることなく僕は去った。

他のとこにも数人いたけど、変な空気になったりしてた。


3階へ続く階段を上がっていた時、別の人が相方を連れて下へ行くのを見た。

何より僕は安心したが、相方を連れてる人は申し訳なさそうにしていた、僕がまだ見つけてないからだろう。

3階にも砕はいない、でも3階にはまとまって隠れている人達がいた、音楽室のカーテンの中に4人。

砕もどこかで一緒に隠れてたりするんだろうか。


そして4階へ上がる階段、僕は櫻さんとすれ違った、日向ちゃんを連れていた、無事に見つかったらしい。

櫻さんは僕の方を向き、真剣な目で頷いた。

がんばれって意味だと思う。

僕はそのまま4階へ上がった。

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