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リピートライフ  作者: 花畑 空間
第3章
20/86

#19 3日目

ジリリリリッ

昨日と同じようにアラームが鳴った。

「は~い、起きて~、朝ですよ~~」

今日はキイックの声が流れてきた。

「まあ、とりあえず昨日みたいに下に来てね~」

また集合するのか、砕は寝てるかな?

下を確認すると、やっぱり寝ていた。

「行くよー砕ー」

いくら起こしても起きないため、またみんなで下まで運んだ。

「今日はウコイックは忙しいから僕だけです~、ガッカリしないでね~」

別にウコイック目当てじゃないからいいんだけどね。

「まあ、今日は主にリハーサルをします~みんな頑張りましょうね~」

もう明日か、長かったけど、割と楽しかったなぁ。

ただ本番でミスしたら()()()()()可能性があるんだよな、まだ気を引き締めないとだ。

「じゃ、みんな各々最終チェックとかして、リハーサル始めてね~」

僕はいつもの机に向かい、服の飾りをチェックしていた、ドレスのフリフリしてる部分や、ティアラに付いてる宝石の接着とか。

「お、頑張ってるねぇ」

蒼さんが話しかけてきた。

「蒼さんはやらないんですか?」

「とりあえず他の人がチェックして、まだ部品足りないのがあったりしたらそれ手伝おうかなって」

そうは言ってるが、もしチェックして全部揃っていたら仕事無しだ。

「蒼さんもチェックして下さいっ」

蒼さんの座っている目の前に服をどっさり置いた、出てくる庶民用のだ。

「うーん、とりあえず全部同じだからチェック完了っ、じゃ、そっちのチェック終わったら教えてね~」

蒼さんは席を離れ、ブラブラし始めた。

正直、サボる気持ちも分からなくもない、僕も最終チェックとは言ったものの全部完璧だ、なんせ丸二日もあったから。

「すみません遅れましたー」

南島さんと響子さんが一緒に机に向かって歩いてきた。

どうやら2人は()()()()()らしい。

「演技班のチームのメンバーと話してたら遅くなりました、すみません」

「いえいえ、とりあえずここまでチェックし終えたんで、後は一緒に頑張りましょう」

僕は10分の1ぐらいはもうチェックを終わらせていた。

「そうね、頑張りましょう」

僕達はチェックを始めた。

少し時間が経ち

「あの、台本班に最終チェックしてきました」

緋彩ちゃんがいつの間にか僕の後ろにいた。

「うおお、あ、ありがとう…」

「台本班はもう完璧らしいので、後は私たち道具班と演技班だけだそうですよ」

「じゃあ頑張らないとだね」

僕達は再度、チェックを始めた

「ちょっと僕はウコイックのとこ行ってくるね~」

キイックが部屋を出た、まさか()()()()()()()()()()()()とかだったりして。

「ふぅ、よーし、終わったわね」

響子さんがため息をつきながら呟いた。

「終わりましたね、皆さまお疲れ様でした」

南島さんがそう言うと。

ガチャっ

「おいてめぇら~、ちゃんとやってるか~?」

まさか…()()()()()

「キイックがさすがに甘すぎるってんでよぉ~、俺が呼ばれたんだ、サボってるやつとかいたらすぐ落とすからな~」

僕達はちゃんとやってるから安心…()()()…!

「おい、そこのてめぇ~、お前は何担当だぁ~」

「え、えーと、道具班です…」

「じゃあ何でそこに突っ立ってんだぁ~」

「トイレに行こうと…」

「トイレはそっちじゃねぇだろ~、お前本当はどうなんだぁ~、()()()()()()言ってみろぉ~」

「……サボってました…」

「残念だなぁ~、またな~」

「今怒らないって…っ!」

蒼さんの足元に穴が空いた…

僕には何もすることが出来なかった、ただ、もう()()()()()()と分かっている雰囲気が続いているのを黙って見て、結局蒼さんは落とされた。

悔しい、もっと僕が注意していれば、キイックだからって油断するなって言っておけば、()()()()のかもしれない。

僕はやるせない気持ちでいっぱいだ。

「他にはサボってるやつはいねぇなぁ~?」

「じゃ、俺はあいつらのとこへ戻るぞぉ~、また来るかもしれねぇからサボるんじゃねえぞぉ~」

嫌な静けさだ、誰が何を発することも無く、時間だけが過ぎていく。

「おい、おい!聞いてんのか稗田っちぃ!」

「…え?」

僕はハッとした、静けさを不気味に感じた演技班が様子を見に来たらしく、少しだけ空気は良くなっていた。

「お前ずーっとぼーっとしててよぉ、何があったんだぁ?」

「え…と…」

まだ声が聞こえるだけで頭が全然回っていない。

「道具班の実質2()()()の犠牲者よ…」

響子さんはそう言った。

僕は洋一さんは無事なことを知ってるから、その分()()は付いてなかったようだ、ずっと放心状態だ。

「そうかぁ、声的にあの()()()()が来たんだろぉ?怖い声してるぜぇ、こっちの部屋まで響いてきたからなぁ」

砕は僕の背中を優しく(さす)ってくれた。

「どうだぁ、これで落ち着いてきたかぁ?」

「ちょっとは落ち着いてきた、ありがとう砕」

「ほんとアオイックの声は怖いわよね、日向も怯えちゃったの」

「うぅ…あうぅ……」

日向ちゃんは出会った頃のように櫻さんの後ろにくっ付いている。

怯えるとこうなっちゃうんだな。

「空気を無理に変えるのも難しいし…とりあえず!ゆっくりリハーサルしていきましょう!」

櫻さんはみんなに声をかけた、それぞれゆっくりではあるが準備を始めた。

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